オンコード たくさん おすすめ
オンコードとは
オンコードとは和音の重ね方の一つで、
「ルート音じゃない音をベースに持ってくる」とオンコードだと思われる。
ただしその中でも、
「コードの構成音じゃ無い音を持ってきた場合特にオンコードと呼ぶ」気がする。
例を挙げると、
低い方から「ド・ミ・ソ・シ」がルートをベースに持ってきた場合(通常)のCmaj7。
「ソ・ド・ミ・シ」がルート以外の音(ただし構成音)をベースに持ってきた場合(転回形)のCMaj7 on G。
で、
「ラ・ド・ミ・ソ・シ」がコードの構成音じゃない音をベースに持ってきた場合で、これがオンコード(Cmaj7 on A)。
と自分は解釈している。
今回の記事の説明
そのオンコードをいろいろ試して、おすすめを挙げていこうという記事を書きたい。
そこで問題になるのが「下を変えるか、上を変えるか」だ。
つまり、一定のコード(例えば、ドミソ)に対してベース音を変えていくのか、
一定のベース(例えば、ド)に対して上部の和声を変えていくのか。
自分は後者、つまり上を変えていこうと思う。
理由は二つで、一つは前者だとコードのメジャーとマイナーの扱いが難しくなること。
もう一つはやはりベースが和音の中で最重要だと思うからだ。
ベース音としては今回はわかりやすく「ド」を使用する。
あとMIDIキーボードでKontactのピアノ音源を鳴らし、ヘッドフォンで聴いたよ。
それでは行ってみよう
C on C (ドドミソ)
基本1。
こんな表記があるのかどうかわからないが、ベース音ドに対しコードもC、つまり普通のCメジャーコードを弾いてみた。
このコードの特徴は存在感があるのになぜか透明な感じがすることだ。
あとすごくジョンレノンのイマジンが想起されるのでイマジンすごい。
Cm on C (ドドミ♭ソ)
基本2。
Cメジャーとは一転して、透明感ではなく微妙な響き感が出てきた。
あとCメジャーの時は比較的最高音のソが目立ったのに対し、Cmでは構成音のミ♭が目立つように感じた。
なぜかおかずをつけたくなる響きで、一瞬シを入れたりベースをド→ソ→ドと動かしたりするのが似合う。
D♭ on C (ドレ♭ファラ♭)
これ好き。
全体としてはD♭maj7を構成するため、違和感が無い。
しかしCメジャーで通常使われるコードではないため、その点では違和感がある。
C D♭onC DmonC と上がっていってもいいし、逆に下がってきてもいい。
D♭m on C (ドレ♭ミラ♭)
無理がある。
D♭onCと同様、全体としてはD♭mmaj7を構成するため、響きには違和感がないと言いたいが、
そもそもマイナー・メジャーセブンス自体にちょっと違和感を覚える。
通常のD♭mからベースだけ下がるという使い方はできるが、Cメジャーのキーで使うのはちょい無理。
D on C (ドレファ#ラ)
オサレな響き。
ここまでの記事でもわかるようにオンコードはどの調を想定しているかによって評価が変わるのだが、DonCはDメジャーキーでもCメジャーキーでも使えそうな汎用性がある。
Dm on C (ドレファラ)
なんかラテン系。
Cメジャーの文脈で見てもDmの文脈で見ても使える便利な響きだ。
基本Cを鳴らしつつたまにDmonCを鳴らすというおかず的使い方が好き。
E♭ on C (ドミ♭ソシ♭)
クールな響き。
Cm7を押さえているのと同義なので、もちろん使える。
Cm7! という発想で押さえるか、E♭onC! という発想で押さえるかで使い方が変わってくるかもしれない。
当然ながら音は同じだ。
マイナーセブンスならではの硬質でクールな響きが楽しめる。
E♭m on C (ドミ♭ファ#シ♭)
あんまり好きじゃない。
構成音としてはCm7-5を押さえているのと同じことなのだが、音の積み上げ方がまずかったのかおかしな響きに。
あるいはm7-5は単体で聞くと変なのかも。
E on C (ドミソ#シ)
他との組み合わせで。
それほどおかしいわけでもないけどどこかおかしいという、どうにも扱いに困ったコード。
E EonD EonCのように流れの中で使えば輝くと思われる。
単体ではきつい。
Em on C (ドミソシ)
美しい響き。
のちに出てくるであろうAm on Cと並んでナチュラルな響き。
Cmaj7を押さえているのと同義。
ベース音のドに対してシがアンニュイかつ複雑な味わいを出している。
F on C (ドファラド)
脳天気でない明るさ。
このコードからベース音をオクターブ上で押さえることにしたが、それが関係しているのかどうか明るい響きのコード。
Cメジャーの文脈というより、Fメジャーの文脈を感じる。
しかしながらC FonC Cとやると王道バラードのスピリットを醸し出し始める。
Fm on C (ドファラ♭ド)
つなぎの名手。
上部のファラ♭ドが安定しているせいかベース音がドであることに違和感を覚える。
しかし事前にCメジャーコードを弾いておき、C FmonC Cという流れを作ってみると違和感がいい方向に変わる。
F# on C (ドファ#ラ#ド#)
なんじゃこりゃ。
いままでの中では一番使いにくそう。
明るさと奇妙さを同時に感じる強烈なキャラクター。
F#m on C (ドファ#ラド#)
ディミニッシュのスピリットを感じる。
ディミニッシュそのものではないが、ディミニッシュっぽい響き。
そういうのが必要になったら使えるかもしれない。
G on C (ドソシレ)
ナインスがおしゃれ。
なんとなくボサノヴァっぽい響きになった。
GonC AmonC FonCあたりを適当な順番で弾くことでリフになる。
すごくいい。
Gm on C (ドソシ♭レ)
定番の一つ。
これはC9というコードのミをなくしたものと捉えることができ、Gm7onCの形で定番化している。
さすがに性能は高く、汎用的に使っていけそうだ。
A♭ on C (ドラ♭ドミ♭)
転回形だがそれだけに自然。
ドが二つ出ていることでもわかるように、もともとA♭のコードにドの音はある。
つまり転回形と同じことだといえる。
それだけに音は自然で、さきほどのGonCなどとつなげて使うといい感じ。
A♭m on C (ドラ♭シミ♭)
意外なことに綺麗。
バラードなどで使えそうな硬質な美しさを感じる。
どういう理屈でこうなったのかわからないが綺麗なのは綺麗だ。
A on C (ドラド#ミ)
ドとド#は相容れない。
逆の順番(ド#がベース音でドがトッピング)ならよかったかもしれないが、この響きではちょっと使うのは難しそう。
本来明るい色彩のAがベース音によって曇らされてる。
Am on C (ドラドミ)
C6と同じこと。
つまりそれだけポテンシャルがあるということで、その性能は折り紙付き。
C6とCmaj7のどちらを使うかは好みになるだろう。自分は6のほうが好き。
B♭ on C (ドシ♭レファ)
フュージョンの高揚感。
これもGm7onCと同様よく使われる響きで、自分は高揚感を覚える。
ファが入っているためかsus4的な感じがある。なのでConC(普通のC)と混ぜてリフを作ったりできる。
B♭m on C (ドシ♭レ♭ファ)
ド#の壁。
レ♭と書いたが音としてはド#が入ってきてしまい、ちょっとむずかしい。
困惑したような場面で困惑感を出すのには使える…かも。
B on C (ドシレ#ファ#)
不協和。
ファ#が目立ってしまったためか不協和なイメージが先行した。
しかしこのコードの真価はConC(普通のC)への半音下からのアプローチだろう。
単純な半音移動だけに、その破壊力は絶大。
Bm on C (ドシレファ#)
まあこういうのもありか。
シ、レ、ファ#と綺麗にかぶさっていくのでファ#の不協和感も減少した。
使える響きだが、半音下からのアプローチ力(なんだそれ)は下がったかもしれない。
試してみて
響きに集中して音を聞くいいきっかけになったと思う。
反省点として、ベース音ドの上にコードを塊のまま単純に乗せたので、
ボイシング上不利になったコードもあると思う。
また演奏というよりちょっと試し弾きしただけなので、つながりで真価を発揮するコード群の評価が落ちたかもしれない。
そのへんは読者のみなさんが研究してカバーしていって欲しい。
いいコードライフを!
ガイドトーンを弾きたい ので図を書いた
ガイドトーンとは
ガイドトーンはたぶんジャズ発祥の概念で、それを弾くとコードにぴったりハマりやすい音だ。
定義は単純で、そのコードのルートに対して「3度・7度の音」がガイドトーンになる。
例えばコードC7は「ドミソシ♭」で、ガイドトーンは「ミとシ♭」。
コードAm7は「ラドミソ」でガイドトーンは「ドとソ」になる。
ガイドトーンの特徴
弾いてみるとわかると思うが、ガイドトーンは「コードにうまくハマっているが、ルートそのものではないので多少の浮遊感がある」ちょうどいいあんばいの音だ。
それでいて定義は簡単。覚えやすい。最高!
なのに弾くとなると難しかったりする。難しいので今回は図を書いてみた。
図(再掲)
図の説明
ガイドトーンは3度と7度、だが3度には長短2通りがあり、7度にも同様に2通りある。
さらに3度が低い音になる場合、7度が低い音になる場合の2通り。
そしてこれが問題だが、ギターにおいては2弦と3弦の間はチューニングの音程が違う(レギュラーチューニングの場合)。
6弦と5弦はEとAで4度離れている。他の弦も4度だが、2弦と3弦はGとBで長3度しか離れていない。
つまりチューニングの音程が4度なのか長3度なのかでも違いが生じる。
まとめたのがさっきの図だ。
図から言えること
基本形といえる長3度・短7度の組み合わせは、どれもなんとなく三角形っぽいシルエットになる(○で囲った部分)。
このシルエットを基本に、マイナーだったら3度を下げる、メジャーセブンスだったら7度を上げる、というふうに覚えるとよさそうだ。
(マイナー・メジャーセブンスはあまり出てこないから考慮しなくても良い気がするけど、時々出てくるのは確かだ)。
3度が「下(低い方)」にある場合、3度を下げるあるいは7度を上げる動きはどれも音程を広げる。
結果指は5度の形(パワーコードの形)になる。
逆に7度が「下(低い方)」にある場合、3度を下げるあるいは7度を上げる動きはどれも音程を狭める。
結果指は4度の形(同フレットの形)になる。
ただし2弦と3弦にまたがる場合はこの限りではない…ややこしい!
まとめ
ガイドトーンを活かせばコードの響きを強調したソロが弾ける。ペンタ脱却の近道だが、この道はけわしい…。
多数派な意見は賛同者が分散し、少数派な意見は賛同者が集中するので結果同じくらいに見える説
タイトルですべて説明しきった感。
たぶん誰か賢い人はとっくに研究しているんだろうけど、多数派な意見と少数派な意見が人口比そのままのパワーバランスを持っているわけではなさそうな気がしている。
世論調査と印象の食い違い
たとえば最近個人的に関心を持ってみている森友学園に土地が安く提供された問題、世論調査では理事長の参考人招致を行うべきと考える人が76%というデータが一つある。
森友学園理事長の参考人招致「行うべき」76%、JNN調査 News i - TBSの動画ニュースサイト
しかしツイッターやはてなブックマークなどでは、「国会の審議時間の浪費」「会計調査院や検察に任せるべき」という意見がけっこうあるように(こちらは印象論だが)思うのだ。
データの方では「参考人招致を行う必要は無い」と考える人は16%。少数派である。
しかし印象的には、二つの意見は同じくらいとは言わないまでも、けっこう競い合っているように思う。
食い違いの原因として考えられるもの サンプルの違い
この食い違いの原因として、一つ挙げられるのが世論調査に答える層とネット層の違いだろう。
ネットに触れている人は世論調査の層よりは若い人が多いと思う。そういう年代の違い。
そして受動的に世論調査に答える層と、積極的にネットで特定の話題に反応する層では態度が違う。この違いも大きい。
しかしもう一つあると思うのが(ようやく本題で)、タイトルに書いたように、少数派の意見では賛同者が集中しているのではないかということだ。
本題 少数派は賛同を集めやすいかも
仮に多数派が15人、少数派が5人として、その中に意見としてバズりそうな書き込みが多数派よりのものが3つ、少数派よりのものが1つあるとする。
人数割る意見をすると、二派は同じくらい支持を集めてしまう。そういう現象が起こるのでは、という考えだ。
もちろん、多数派のうちのアクティブな人は3つの意見のうち1つでは飽き足らず、2つ3つと支持するだろう。だから単純に計算通りには行かない。
いかないが、少数派が数少ない自分と近い意見をより強く支持し、ツイッターのいいねやはてブのスターを集めるというほうはありそうな気がする。
少数派一定発言力保持現象
というわけで、少数派はまさに少数精鋭で一定の発言力を保持している可能性がある。
これはいい面と悪い面がある。
いい面は、多数派の「数の力」で少数派が押し込められる危険を回避しやすくなるということだ。
だれだって何かの部分では少数派なわけだし、この危険へのお守りは保持したい。
そして悪い面は、データと印象の間のズレで起こされる混乱だ。
「印象」では二つの意見は拮抗しているのに、「データ」では片方が多数をしめていたら、ある人はデータの価値を疑うかもしれない。
傾向と対策
なるべくいい面を大きく、悪い面を小さくしたいと思うのは当然だ。
そうするための態度として、
- 少数派に「見える」意見、少数派「である」意見にかかわらず、少数派を尊重する
- データの信頼性をチェックする心がけを持つ
- そもそも意見の賛同者だけではなく、意見自体の価値を見極める
あたりが思いつく。
自分もこれらを実践したいと思うけど今年の目標を作曲以外達成できてないマンなのであやしい。
伏線と豆知識、そして覚醒 物語の主人公がピンチになったとき作者はどうするのか
剣術と僧侶
手塚治虫のブッダではブッダは剣術を使えた。で、僧侶なのに剣術を使えることがある場面で役立ったのだ。
もう記憶がおぼろげだが、そのシーンを読んだ時自分はグッと来たのを覚えている。
「他と違う特徴」がちゃんと活かされるのはいい。
ブッダの場合、王族だからだっけ? タッタの絡みだっけ? 忘れたがとにかく剣術を覚えている僧侶という他と違った特徴を持ち、それがきちんと活かされた。
豆知識と考古学者
さて、このように「過去の設定を活かして難局をクリアする」のが物語の王道と言えるだろう。
しかしそればっかりはできない都合というものがあったりする。
そんな時にどうやって難局をしのぐのかが作家にとっての腕の見せ所だ。
マスターキートンは、多くの場合そこで科学の豆知識を投入してくる。
キャタピラは石鹸水に弱いとか、銃身が曲がっていても弾は飛ぶとかそういった知識である。
これがなぜ気持ちいいのか自分を見つめ直していたところ、このような仮説が浮かんで来た。
「その豆知識を知っていれば自分にもできそうだから」。
つまり、なろう小説などで中世の世界に現代科学を持ち込んで無双するのと似たような原理である。
ビッグコミックだろうとなろうだろうと、無双は楽しいのだ。
解法の比較
閑話休題。
ピンチになった、どうする? 即席のフラッシュライトを作って相手の目をくらませたから助かった!
みたいなのは、実のところ「ブッダ」の剣術よりは悪い手段だ。
伏線を用意しておいてそれを使った方が、その場のなにか新しいもので助かる展開よりは構造的には綺麗だ。
しかし同じその場のアレでも、突然覚醒するパターンよりは優れていると言える。
自分にも誰にでも、その豆知識を知っていればできる手段のほうが、突然超能力に目覚めるよりは納得しやすい。
ちなみに覚醒の代名詞とも言えるドラゴンボールのスーパーサイヤ人はくどいほど伏線をいれていた。
フリーザを倒すという難題を解決しつつ、納得度を高めるには前フリを何度も入れる必要があったのだ。
納得とは
そう、問題は「納得」なのだ。納得はすべてに優先するぜ!
難題が起こった時、解決はするだろうけど(しなかったらそれはそれでまずい)どうやって解決するか、納得できる解決か、読者はそこを見ている。
ブッダの剣術のように、前フリや再利用可能な伏線を使うか。
この方法は納得できるばかりか、主人公の特別感を高める。
マスターキートンのように、誰にでも知識があればできる手法で解決するか。
この方法は納得はできる。場合によっては無双の優越感を得られる。
スーパーサイヤ人のように覚醒するか。
この方法は納得感という面では小さい。それゆえに他の方法を併用して納得感を高めていく必要がある。
さまざまな解法があり、今日もどこかで作者が頭を悩ませている。
いろんなメロディにコードを合わせるときのメモ Ⅲ7=Ⅳdim
前フリ 前書いた記事のまとめ
かなり以前に、
メロディへのコードつけのちょっとしたコツ――選択肢は2択持っておく(作曲) - ミキリハッシャブログ
という記事を書いた。
要約すると、例えばDmとEmのように、コードの選択肢を二つ持っておくとどちらかはメロディにハマる場合が多いということだ。
これには条件があり、それはDmとEm、FとG、CとDmのように音階上で隣り合ったコードを選択肢として持っておくことだ。
一般的なコードは「ドレミファソラシ」のうちの「ドミソシ」のように、音階を一つ飛ばしで拾って構成される。
だから隣り合ったコードを使うことで、「ドミソシ」と「レファラド」のようにコードがお互いを補完しあうことができる。
FdimとE7の比較
これの発展系で、例えばFmaj7とFdimのように、同じベース音を持つコード二つを選択肢として持っておくアイディアを思いついた。
というのも、FdimはE7の変化なのだ。
鍵盤上で確認して欲しいが、E7はミソ#シレでFdimはファラ♭シレ。
ソ#とラ♭はご存知のように異名同音なので、E7とFdimは構成音がかなり近い。
E7 Fdim F#mのようなコード進行がマイナーの楽曲にあるのも、構成音を一つ変化させるだけでE7からFdimへの進行ができるからだ。
FdimとFmaj7の組み合わせ
さて、E7がFdimと近いとして、さっき言ったコードの隣あった二つを選択肢に持っておく説に応用してみよう。
E7 Fmaj7という二つの選択肢を作っておき、
E7はFdimと換えが効くから、
Fdim Fmaj7の二つでも「コードの隣あった二つ」の機能は果たせる!
FdimとFmaj7でカバーできる領域
実際にカバーしている音階を見てみると、
Fdimファラ♭シレ Fmaj7ファラドミで、
「ドレミファラ♭ラシド」をカバーしている。
つまりソ以外だ。ソはしょうがないが、幸いにも比較的入れ込みやすい9thの音にあたっているので、短い音価ならごまかせると思う。
FdimとFmaj7の二つを選択肢として持っておけば、かなり多くのメロディをコードトーンとして処理できる。
任意のコードのdim化
さらに広げて、コードxdimとxmaj7、つまり任意のコードでも二つを選択肢として持っておく戦略はありなのか検証してみよう。
dimの音階はroot,▽3,+4,-7(6と同等)。
maj7の音階はroot,△3,5,△7。
まとめるとroot,▽3,△3,+4,5,6,△7の音が使える。
2の音はどちらにも入れ込めるが、4の音はmaj7の方には入れづらいものがある(△7とぶつかるため)。
任意のコードをdim化して幅広いメロディに対応するという戦略は、「状況によっては使える」くらいの感じだろうか。
問題点
問題はdimが落ち着かない響きであることだ。
たぶん他のコードへのつなぎとして使う以外では難しいものがあると思う。
つなぐ場合、E7の変化だということを利用してつなぎ先を決めると良さげ。
3x4と4x3 KORG VOLCAのアクティブステップ機能について
前説
時々掛け算の順序が話題になったりしている。
どうも順序的には 1グループ中の数xグループの数 で考えるべしという基準があるみたいで、答えが正解でも掛け算の順序を逆にして不正解になった例とかがツイッターに上がったりしている。
不正解にするのはどうかと思うが、1グループ中の数 x グループの数 という順序自体には合理性があるように思う、そんな体験をしてしまった。
最近自分の中で流行っているのがKORG VOLCA BEATSという機材。小さいドラムマシンで、打ち込みが強力かつ簡単なのがウリだ。音色もいいと思う。
その打ち込みの機能の一つに、アクティブステップ機能というのがある。
デフォルトではすべてのステップがアクティブだ。16個あるステップのどこでも音を出すことができる。
しかしこのようにあるステップを消してしまうと、
消されたステップは飛ばされる。つまり一小節に含まれる音符の数が変わるのだ。
ちょっと見づらいが鍵盤の上部のランプを見て欲しい。左から12個までのステップは明かりが灯り、4個は消えている。
この場合、一小節=12個というシーケンスになる。
ところが12個には他のパターンも考えられる。
こうだ。
この場合、3つのアクティブなステップ+1つの休みを4回繰り返すことで一小節が構成される。
この二つはどう使い分けるべきか?
まずデフォルト設定
まずデフォルトの16個から行こう。
デフォルトの16個は、16分音符が16個という構成になっている。
つまり4ステップが1グループでグループが4つあるという捉え方だ。
16ビート(という言葉は和製英語らしいが)を表現するときにはこれだ。
次に4x3
ではこちらの、左から連続で12個の場合はどうなるか。
先程のステップ4つで1グループという考えを敷衍すれば、こちらはグループが3つということになる。
最後のグループは休む。
4つのビートから1つ弾いて3つのビートになるから、3拍子だ。
これは3拍子を表すのに適したステップ設定であるといえる。
(実際には、3拍子のときはハネることが多い気がするのでまた複雑になる)
3x4
ではこちらの、3つステップ+1つ休み で1グループを構成しているほうはどうなるか。
先程の3拍子を4x3と表せば、このセッティングは3x4と表すことができる。
一つのビートの中に3つの音符が入る、それが4回繰り返される形式。
「ズッズタッタズッズタッタ」といったハネたリズム、シャッフルを表すのに好都合なパターンなのだ。
VOLCA奥深い
このように同じ12個のステップでも考え方が違うということがわかった。VOLCA奥が深い。
ちなみに自分は当初3つアクティブ+1つ休みでシャッフルを表せることに気づかず、12個を端から並べる方式でシャッフルを打ち込もうとして間違えまくった。
機械は間違えないが、人は間違える。
だから機械を上手な設定にしておくことも大事だと痛感させられたりした。
中立は揺れ動く? バランスについて考察
バランス=人生
人生バランス。
これが自分の数少ない信条の一つである。
しかしバランスを求めすぎると窮屈になることもある。
バランスの問題点
例えば音楽は理論が大事派と感性が大事派という二つの派閥があったとして、
じゃあバランスが大事だから理論と感性の間を行こうとかそういう発想になってしまう。
感性派が強いからバランス上理論派を擁護しようとか、その逆で、感性派が強いから感性派に寄ろうとか、そういう発想も出てきてしまう。
バランス派はどこが悪かったか
ダメだ。
そもそものバランスの目的を見失っている。
バランスの目的は、一言で言ってみれば善である。例の場合いい音楽を作ることである。
いい音楽を作るためにはいい価値観が必要で、それはバランスがとれた価値観であろうということだ。
上のダメな例のダメなところは、どちらも価値観より勢力とか立ち位置でバランスをとろうとしていることだ。
真のバランスは難しい
しかし中立の価値観というのは、とがっていないだけに実は難しい。
中立的でしっかりとした価値観を立てるためには、極端な価値観の、勢力ではなく思想をくみ取らなければならない。
先の例でいえば、理論大事派はなぜ理論を重視するのか。感性大事派が守りたいものはなんなのか。
そういった点について考察しなければならない。
しかしそれをするということは、一旦理論派なり感性派に入門するということになり、バランスからは離れてしまうという懸念もある。
ヤジロベエ式バランスの取り方
この難しい状況にどう対処するか。
例えば、大衆音楽は複雑と単純をいったりきたりしているらしい。
政治も保守と革新をいったりきたりしている。
バランスをとるにはこれが参考になるのではないか。
つまり、最初から中立を目指すのではなく、その時々で正しいと思う方につく。
そして自分の立場を変える勇気を持つこと。
バランスをとるには、いったりきたりすることが必要なのではないかと思う。