「高い声」の「高さ」は2種類ありそげ
前置き
自分はZEP(レッドツェッペリン)が苦手で、何が苦手かというとロバート・プラントの声だったりするのだが、
彼の声はすごく高い(ように聞こえる)。
彼に限らず、高い声のボーカリストって多い。
特にハードロック界隈に多い気がするのは他の楽器が大音量だから声を張る必要があるのか、ハードロックという曲調にそっちのほうが合うからなのか。
まあそれには今回立ち入らない。
今回書くのは、「高い声」って言ったときの「高い」の意味って2種類ある気がするということだ。
1.音高 is High
一つは単純に、音高が高い場合。
ドよりレのほうが高いし、レよりミのほうが高い。
ミより1オクターブ上のドのほうが高い。
男声ボーカルの場合、ギターで言う4弦2フレットのEくらいから1弦5フレットのAくらいが出しやすいように思う(個人差あり)。
ただギターは音符に直すとき1オクターブ変えて書くことになっており、この辺突っ込むと沼にハマりそうなのであまり詳しくは書かない。
とにかく、音階上高い音を発している場合、その声は高い声と言える。
2.音色 is Bright
もう一つが厄介な、音色が「明るい」場合。
同じオクターブ上にあるドの音を発していても、クラリネットとトランペットとバイオリンでは違って聞こえるのが想像つくと思う。
トランペットの音色が「明るい」気がする。
こういう音色の違いは「倍音」によって起こる(倍音の違いが音色の違いとして感じられる)。
先に挙げた、「音階上の高さ」を決めている要素を「基音」というのだが、
基音がなっているとき、倍音も同時発生している。
例えば基音がEなら、高いE、もっと高いE、もっともっと高いE…などが発生しており、
さらにBやらGやらも発生している、カオスな状態なのだ。
で、「高い音」が多く含まれているほど音色は明るく聞こえる。
今試しにトランペットの音色をスペクトラムアナライザで解析したものをスクショしてみた。
この画像の横軸は周波数、いわゆる高さを表しており、
縦軸は大きさを表している。
ギザギザがけっこう全帯域にまたがって入っており、とても複雑なものだということがわかるであろう。
むしろこの音がEだとか人間の耳が判断できるのがすごい。
高い vs 明るい
さて、上のトランペットは全帯域にまたがって音の山があった、つまり、高い帯域にも山があるので、明るい音色・高い音色に聞こえる。
フルート…は元の音域が高めなのでクラリネット、まあ一般的に木管楽器はもうちょっと高い帯域の山が少なく、暗い音色・低い音色に聞こえる。
トランペットで低い音程、クラリネットで高い音程を出すことは可能なので、低く明るい音、高く暗い音というのもありえてしまう。
明るい暗いの対立軸で話せば誤解は少なくなるのだが、高い・低いの対立軸で語ってしまうと、音色が高いのか音高が高いのかわからなくなるので誤解を招きかねない。
でもロバート・プラントとかを評して「明るい声」とは言いづらい気がするし、何か表現上の工夫が必要そうな気がする。