幸福な序盤 退屈な中盤 あるいは俺は何回タクティクスオウガ運命の輪の序盤を繰り返すのか
これって何?
このテキストはタクティクスオウガ(クエスト->スクエニ)のニューゲームを始めては中盤に飽きて止めている筆者が、
自分は悪くない、このゲーム自体に原因があると自分に思い込ませるように書いた一大感想文である。
まず説明
タクティクスオウガ(以下TO)は名作と呼ばれる。
ジャンルとしてはシミュレーションRPGで、特徴は
- HERMITという名前がついた斜め見下ろし(クォータービュー)型の画面構成
- WT(Wait Turn)という値が0になったキャラから行動する、敵味方入り乱れてのバトル
- 味のあるドット絵
- ヴァレリア諸島の戦乱を描いた、ハードで濃ゆいシナリオ
あたりだろう。
オリジナルはクエストからSFCで発売され、自分が最初に触れたのはPS1への移植版だった。
その後、スクエニへと版権が移り、15年の時を経てPSPでリメイクされた(「タクティクスオウガ 運命の輪」)。
自分はそれをVitaで持っていて、時々新たにニューゲームを始めては中盤に飽きて止めている。
章分けでいうと3章後半から4章前半くらいのところで止めている。
なぜ始めるのか
タクティクスオウガの世界が、途方もなく魅力的だからである。
冒頭に描かれるのはヴァイス(主人公デニムの影にして狂言回し)がデニムのもとに、
雨の中馬を走らせ知らせを届けに来るシーンだ。
スタッフロールが流れる中ヴァイスは駆け、スタッフロールが終わると同時にデニムのところに着く。
この手の演出はシナリオの松野氏が得意とするところで、FFTやFF12の冒頭も似たような雰囲気がある。
ヴァイスがもたらした知らせは、敵であるランスロット・タルタロスが街に来るというもの。
デニム・ヴァイス・カチュア(鬼姉)は暗殺を企てるが、情報は間違いで、ランスロット・タルタロスだと思った相手は同名の騎士ランスロット・ハミルトンであった…。
という情報の詰まった濃いオープニングを叩き込んでくる。
しかも決して理解しづらいものではないのだ。
その後ハミルトンのほうのランスロットの助力を得て、デニムは英雄へと成り上がる。
そして1章の最後には、シナリオ的にもゲーム的にも重大な選択をすることになる。
筆者はこの1章を愛している。
「重大な選択」に至るまでの流れも自然だ(これはシナリオ的な技巧)し、
レベルデザインもとても良い。
英雄になったきっかけの「アルモリカ城」攻めは、ランスロット一味がゲスト参戦してくれるので何もしなくても勝てる(ここでバトルの流れが分かる)。
引き続く「タインマウスの丘」ではまともに操作することを覚える。相手は弱く助っ人もいる。
「クリザローの町」ではゲストを救出せねばならない。しかしまだ相手は弱い。
バトルが終わると救出したゲストたちが仲間になり、自由度が上がる。ここまでが初心者対応だろう。
その後は数ステージ、緩やかに難易度が上がっていく。ゲスト救出マップの「古都ライム」がちょっと難しいが、このゲストは見捨てても良い(ルート限定で後で仲間になる)。
そして1章最後の「バルマムッサの町」が傑作なのだ。
この町は高低差があり、最初デニムたちは高所を締めている。
屋根などの高い場所から弓を撃ち続ければ一方的に勝ててしまう。
章の締めくくりとは思えないほどやわい手応え。
そして「重大な選択」があり、ヴァイスが敵に回ると一変する。
デニムたちが低い位置、敵軍が高い位置に変わるのだ。
しかもルートによってはゲスト救出マップなのだが、このゲストが敵対している。
厄介である。ゲストなので生かしたいがガンガンこっちに魔法を撃ってくる。
高低差とゲストの存在で簡単なマップが一気に難所になる。
制作側はしてやったりと言ったところだろう。
この1章が傑作すぎて何度も繰り返してしまうのだが、中盤、あるいは終盤の初めに飽きてしまう。
なぜ飽きるのか
人は作業感が出てくるときに飽きる。
ステージ攻略自体は面白いままなのだ。
城、平原、湿原、森、雪原など、バリエーション豊かなマップは目にも嬉しいし、
ときおり挟まれるデニムと敵の一騎打ちもいいアクセントになっている。
問題はレベル上げである。
このゲームは(運命の輪版のみだが)クラスレベル制という変わったシステムを取っていて、
例えばナイトなら「ナイトのレベル」という値がある。
デニムがナイトになっても汎用キャラがナイトになっても何人ナイトになっても、この「ナイトのレベル」が適用される。
「ナイトのレベル」が20なら、店で雇ったばかりのキャラでもナイトに就かせればレベル20だ。
(脳内補完的には、ナイトを運用するノウハウが軍に溜まっているのだと考えている)
おそらくレベル上げを不要にするためのシステムだったのだろうが、ものすごい副作用がある。
ライバルのヴァイス(デニムと友情を結び直す)は「レンジャー」という固有クラスを持っているのだが、レンジャーの初期レベルは1である。
ランスロット一味だったギルダス、ミルディンのコンビは「ホワイトナイト」という固有クラスを持っているのだが、ホワイトナイトの初期レベルは1である。
つまり、ヴァイスとかミルディンが仲間になるたび、あるいは新職業が開放されるたびに「レベル1のクラス」が増え、ということはレベル上げの負担は返って増すのである。
ヴァイスを、レンジャーを諦めてナイトにすればレベル20になるので、ヴァイス自体が使えないわけではないが、
せっかくの固有職なのでそのまま活躍させてやりたいのが人情。
タインマウスの丘でランダムエンカウントのリザードマンを鈍器で殴るはめになる。
これがダルい。それが一つ。
続いてスキルのシステムにも問題がある。
戦うと溜まるスキルポイントを消費してスキルを買い、枠にセットして使うだけのシンプルなシステムだが、
ヴァイスなど途中加入のキャラの初期スキルポイントはゼロである。
「剣」「物理攻撃力アップ」などスキル自体は持っているが、剣ではなく槍にしたいなどの理由で新たにスキルを買うにはタインマウスの丘で(ry
これもダルい。
せめて新規入手したクラスは初期レベルが最初から高め、ということにしていれば…、
あとスキルポイントも初期に1000とか持ってることにしていれば…、
と考えてしまう。
ただ、初期レベルが高かったら高かったで「レベルアップボーナス」の問題もあるのだが、詳細はググって…。
レベル上げしなければ?
クラスチェンジは最小限にして、
スタメンを1章で出会った仲間で固めれば、
それほどレベル上げの必要はない。
一回はそれも試したのだが、クリアには至らなかった。
やはり人間には自由が必要だ。
サクサク進むのはいいけど、カスタマイズ性を捨ててしまってはあんまり面白くないのだ…。
まとめ
「タクティクスオウガ 運命の輪」は名作を下敷きにしてちょっとレシピにアレンジを効かせすぎた、
普通〜良作ぐらいの作品だ。
あと絵と音楽はまさに神。
あとは合成がまとめてできない点が不満だが、
PSアーカイブなどで買う価値はあると思う。
運命の輪を買ってみて4章突入くらいで飽きても、君のせいじゃない!
そして俺もそうだ!
ということが言いたい。
ストレングスファインダーやってみた
あらまし
ちょっと前にツイッターの文章から強みを特定するサイトがバズり、興味を持ったので同様な分析ツールであるストレングスファインダーをやってみた。
まず本(さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0)を購入し、本についているアクセスコードを利用する方法を取った。
後でGallupのストアからも権利が買えることを知ったが、本+アクセスコードのほうが値段的に若干お得なようだ。
(ただし本についてくるのは特性の上位5つが分かるだけのコース。すべての順位が分かるようにするにはさらなるオプションを買わねばならない)
本はまだ読んでいない。タイトルが怪しげだけどまあ大丈夫だと思う…。
テスト受ける
ストレングスファインダーはWeb上でテストを受けることで、自分の特性(強み)を知ることができる。
テストはたぶん120問くらいあり、けっこう時間は取られる。
ただ、推奨されているのが一問20秒以下で、実際には5秒くらいで答えられるので、100問超えとは言えそこまでかからない。
テストは例えば「体を動かすのが好き」と「本を読むのが好き」のような、価値中立的な2択が出てきて、
どっちかに当てはまるのかあるいは真ん中かを5段階で答える。
同じ問題が2回出てきたりしたが、完全ランダムなのかそれとも一貫性を見ているのかは分からない。
出題もみんな同じなのかパーソナライズされているのかわからないが、
そのへんウェブ時代のサービスだなあと思った(初期のバージョンは1998年ごろに開発されたらしい)。
結果を見る
上位5つの強みを伸ばすことを推奨している。
自分の場合は、「内省」「着想」「収集心」「学習欲」「包含」だった。
赤い色がついている強みは「戦略的思考力」で、自分の場合トップ5のうち4つもがそれになっていた。
最後の「包含」は「人間関係構築力」に分類されるが、基本的に思考力ばかり高い人間だと思われたみたいだ。
そしてPDFもダウンロード可能になり、中には上位5つの強みの説明が書かれていた。
例えば「内省」については「考えることを好む」「独りの時間を楽しむ」などがなかなかわかりやすい文章で書かれていた。
アップグレード
この時点でもなかなか丁寧な解説だと思ったが、せっかくなので34の特性すべてが見たいと思い、
ストアでライセンスをアップグレードしてみた。
この際ペイパルはなぜか決済不能、クレジットカードも一つは失敗と
なかなか気まぐれな決済サービスだったのでその点には注意。
アップグレードしたことでダウンロードできるPDFが増え、その中には34の資質の順位もあった。
下のほうに「調和性」「社交性」などが並びああ〜っとなったが、
別に下にあるからといって社交性が低いとも限らない気がする。
「内省」など他の項目が高いため「社交性」が押しやられた可能性もあるのではないか。
などと考えてしまったように、このテストでは結果を絶対値ではなく相対的に判断するようなので、その点が気になる人は注意。
感想
問題数が多いだけあってけっこう詳細に分析してくれるし、
解説が読み物としても面白いので元は取った気分。
仮に分析がポンコツだったとしても、読んで取り入れるだけで役には立ちそうな気がする。
あとはこの結果を活かすことを考えよう。
personality-insights-demo.ng.bluemix.net
コードのF, Dm7, D♭maj7はメロディ「ファ」を共有する
作曲して遊んでいる人は気がつくと思うが、
あるコードと別のコードで同じ音程が使われていることは多い。
例えば、Cmaj7はドミソシで、Am7はラドミソだ。
この場合、ド・ミ・ソが共通の音程である。
同じ音程が使われていることの効果はいろいろあって、
例えば、同じ音程をステイさせるというテクニック「ペダルポイント」とかだ。
Cドミ「ソ」
->G「ソ」シレ
->Am7onDレ「ソ」ドミ
->Em7ミ「ソ」シレ
と、このコード進行を通じてソを鳴らし続けることができる。
オアシス風かも。
今回の主題はペダルポイントではなく、
メロディにコードをつける場合の選択肢だ。
同じ音「ド」を含むコード類は、メロディにドが出てきたときに使える選択肢になる。
選択肢を多く持っておいたほうが、いい選択ができやすい、はずだ。
そこで練習曲を作った。
まずは聞いてほしい。
同じメロディ「ド・ミ・ファ・ソ・ファー」のファの部分に3種類の異なるコードを乗せている。
これは適当に選んだわけではなく、順番にジャズ度・おしゃれ度が上がるように配置されている…つもりだ。
解説すると、
最初はメロディとドラムだけ。メロディは「ド・ミ・ファ・ソ・ファー」で、Cメジャースケールだ。
次はピアノでコードが入る。コードはC(ドミソ)->F(ファラド)。「ド・ミ・ファ・ソ・ファー」を愚直にたどるとこうなるだろう。
全然悪いわけではない。ただ、ジャズ度は低い。
次のコードはC(ドミソ)->Dm7(レファラド)。
C->Fのパターンと少し感じが違って、柔らかい気がする。
これくらいがちょうどいいおしゃれぐあいな気がする。
最後のパターンはC(ドミソ)->D♭maj7(レ♭ファラ♭ド)。
フラットがついた。知っているかもしれないが、Cメジャーでは基本的にフラットはつかないので、一時転調ということになる。
アンニュイな風を感じないか?(感じないか……)
さて、このFとDm7とD♭maj7、実はどれもサブドミナントなのだ。
(ただしD♭maj7はサブドミナント・マイナーという変種ではある)
そしてどれもファの音に対応している。ついでに言えば、ドの音にも対応している。
入れ替えて試してみるのにちょうどいいだろう。
ただし、ここで一つコードを入れ替えることがその次のコードに影響を与え、その次の次の…とドミノ倒しになる可能性はある。
完全互換ではないのだ。
さて続き。
この「F:サブドミナントの基本」「Dm7:Fの短3度下」「Dbmaj7:Fの長3度下」という動きを、他のコードでも試してみよう。
と言ってもCメジャー上でのメジャーコードはあと2つしか無い。CとGだ。
C(ドミソ) Am7(ラドミソ) A♭maj7(ラ♭ドミ♭ソ)
G(ソシレ) Em7(ミソシレ) E♭maj7(ミ♭ソシ♭レ)
うまくいったようないってないような結果になった。
最初のトリオ、C, Am7, Abmaj7はたしかにドとソに対応はしているが、
CとAm7が役割「トニック」なのに対して、Abmaj7は「サブドミナントマイナー」なのだ。
Gの場合はもっと複雑で、
Gがドミナント、Em7がトニック、Ebmaj7はよくわからない役割のコードになってしまった。
ただし、同じ音程を共有しているのは確かなので、その点では交換可能である。
役割とか気にしないという方針で行くこともできる。
まとめ
「ド・ファ」->F, Dm7, D♭maj7
「ド・ソ」->C, Am7, A♭maj7
「ソ・レ」->G, Em7, E♭maj7
読書感想文「ゲド戦記1 影との戦い」を読んで
https://anond.hatelabo.jp/20190823120243
この記事を読んで読書感想文についてつらつら考えているうちに、
実際に感想文書いてみるのも一興かと思って書いてみた。
一応原稿用紙3枚=1200字を目安にしている。
ファンタジーとSFにまたがり高い評価を得ているル=グウィンの、ファンタジー側の代表作・ゲド戦記。
その第一巻、「影との戦い」を読んでまず感じたのは、この世の生きにくさだった。複雑さ、と言ってもいい。
主人公のゲドは高慢な若者として育った。高慢さの理由は、彼自身の魔法の才能である。
山羊たちの「本当の名」を唱えてしまったことで、その才能を伯母に見出されて以来、ゲドは才能があれど孤独な少年として生きてきた。
彼の高慢さは、要するに、自分は特別な人間なんだという自意識過剰から来ている。しかしゲドのような境遇なら、誰でもそうなるようにも思う。
そして、彼の自己肥大は大きな挫折によって終わる。
友人との賭けにより、死者を呼び出すという、「ゲド戦記」世界の中で重要な世界の均衡を崩す魔法を、行使してしまうのだ。
そしてそれに失敗。恐ろしい存在を世界を呼び出してしまうとともに、師の一人を失う。
ゲド自身も死の淵をさまよい、ようやく起き上がった時には、自信喪失の状態にあった。
しかしそれは、ゲドにとっては(それと魔法の学院にとっても)不幸ではあるが、読者にとっては、高慢すぎる主人公、好感を抱けない主人公とおさらばできた、いい機会でもあるのである。
ゲドにとっても、逆境で身にしみて分かった友や師の大切さは、そのまま順調に魔法使いになっていただけでは得難いものであっただろう。
この一件、ゲドにとって大きな挫折が、高慢から謙虚さへの道を開いてくれた一件を大きく取り上げたのは、これがこの世の生きにくさ・複雑さを表すよい例だからである。
物事には多面性があるということ。
失敗から良いものが生まれたりして、でも失敗は失敗であり、同時に成功は成功だけれども、そこから悪いものが根を張ったりもする。
ゲドの師匠たちが揃って口にする重要なキーワード、「世界の均衡」とも関係するのであろう。
しかし失敗が良いものを生み、成功が悪いものを生む(こともある)というなら、今度は行動の基準が怪しくなってくる。
何をものに行動したらいいのか、何をベースに考えればいいのか、分からなくなる。
中盤、謙虚になったゲドだが、しかし惑う。
かつて彼が呼び出した「影」と戦うべきなのか、しかしそれは恐ろしい失敗を招きはしないかと、恐れて動けなくなるのである。
結局、最初の師であったオジオンの忠告で、影と戦う道を選ぶのだが、ゲドの恐れは正当である。
世界の均衡がそんなにも微妙なものなら、恐れて何もしないのが正しいような気がするのである。
物語後半、ゲドの学友であったカラスノエンドウが活躍する。
彼は親友としての真心から、恐れずにゲドの影狩りを手伝うのである。
実際のところ、何もしないのが正解という考え=虚無に対抗できるのは、彼のような人と人との関係性を大事にする心だと言えるのではなかろうか。
- 作者: アーシュラ・K.ル=グウィン,ルース・ロビンス,Ursula K. Le Guin,清水真砂子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/01/16
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新ブログ「HashMikiri」立ち上げ
突然何かWebプログラミングしたい病にかかって、
とりあえずブログを作ったのでブログ引っ越します。
ネタがあるわけではなく、ブログを開発したかったという理由での引っ越しなので
更新頻度は怪しいです。
まあ、一応はてなブログ(本ブログ)よりもハードルを低くするよう心がけています。
アトリエお祭りゲー「ネルケと伝説の錬金術師たち 新たな大地のアトリエ」が思いの外面白かった
面白かった
1週目バッドエンド、2週目トゥルーエンド、2週目延長でイベント回収までやった。
これは非常に面白い経営シミュレーションゲームで、しかもキャラがかわいいゲームだ。
お祭りゲーとのことだったので「キャラがかわいい」はともかく、「非常に面白い経営シミュレーション」にはあまり期待していなかったが、ハードルを超えてきたよ。
前説
自分は基本任天堂派閥だったせいか、アトリエシリーズは最近まで名前だけ知ってる感じだった。
3DSでロロナのアトリエが出たので、それをプレイしてアトリエ面白いかもなあと思い、
その後スイッチでリディー&スールのアトリエもプレイした。
つまりアトリエ歴は2作と、お祭りゲーに手を出すには前知識が無いほうだと言わざるを得ない。
それでも突撃したのは、経営シミュレーション、特に街づくり要素に惹かれたからだ。
Civilizationやカイロソフトものは好きだったので、
あんな感じにプラスして錬金術の調合要素があれば面白いんじゃないかなと思った。
とはいえ、期待はそんなに高くなかったが、
良い方に期待を裏切ってくれた。
概説
街づくりやキャラへの指示などを行う平日パートと、
キャラの会話イベントと「調査」で新たな素材の捜索を行う休日パートに分かれている。
平日
まず平日パートの街づくりと指示。
例えば「アトリエ」「雑貨屋」と言った建物を建てるパートだ。
建てた建物にはキャラを配置できる。
(誰も配置しなかったときに配置されるお手伝いさんがかわいい)
大まかなカテゴリがあり、
- 「花畑」「畑」「林」「牧場」はすでに「調査」で取得済みのアイテムを自家生産できる。
- 「雑貨屋」「食品店」「武具屋」「服飾店」「薬屋」はそれぞれ、アイテムカテゴリに応じたアイテムを販売し、お金に変える。
- そして「アトリエ」は素材そのままのようなアイテムを、高値で売れる「使える」アイテムにする工場のような役割を持つ。
いちばん簡単な例で行くと、
「畑」で「小麦」を収穫
->「アトリエ」で「小麦」を「小麦粉」に
->「食品店」で「小麦粉」を売る
というような流れ。小麦粉のままで売ったことはないけど(さらにパンとかにする)。
お金は次なる建物を建てるのに使ったり、土地を増やしたりする。
つまり、「畑->アトリエ->食品店」ループをこなしているうちに、もう一つ大きなループ「建設->稼働->儲けアップ->新たな建設」というループをこなせるようになるわけだ。
だいたいこの平日パートで経営面のすべてができる。
リザルトも表示されるのは平日の終わり。では休日は?
休日
休日は「キャラと会話する」か「調査に出てアイテムを集める」の2つを天秤にかけることになる。
12マスぐらいの「ターン」をもらえるので、そのターンが許す限り会話なり採取なりができる。
「調査(採取)」は先ほどの畑で生産できるアイテムの種類を増やす重要なパートで、お金はここでも使う。
あまり重要ではないとはいえ、RPGの華である戦闘もここで起こる。
じゃあキャラの会話はそこそこに「調査」すればいいかというとそうでもない。
会話によって好感度を上げておかないと詰む場面があるのだ。
それが「研究」。
一応休日に配置されているが、特にターン消費は無いので事実上いつでもできるコマンドだ。
「アイテム素材」、「お金(研究費)」、「好感度が所定まで上がったキャラ」が揃った状態で選択できる。
お金は正直わりとどうでもいいが、素材はちょっと苦労することもある(特に制限時間の課される研究)。
しかしそれら以上に、好感度はけっこうシビアに管理していないと、いつまで経っても研究できない。
研究のうまみは3種類あり、アイテムが強化されるもの(例えば新型の爆弾)、街づくり用のアイテムを追加できるもの(例えば新しいレンガ)、そしてメインシナリオである「遺物の調査」に関係しているものだ。
遺物の調査はエンディングにも絡むので、俺は町さえ作れればいいということでなければ、研究は無視できない。
つまり、好感度を上げる会話も無視できないのだ。
シナリオ
平日と休日を繰り返し、うまく回っていると人口や建物が増えて町が発展していく。
ではそもそもなぜ町を発展させるのか。
ここまではほぼ経営シミュレーションゲームだったが、ここでRPGっぽくなる。
主人公のネルケの目的は2つあり、
1つは遺物の調査(過去に遺物に巻き込まれた友達の捜索)、
そしてもう1つは村の発展だ。
ネルケはアトリエシリーズでは異例の錬金術が使えない主人公で、貴族である。
貴族の仕事の一環として村を発展させ(るスキを見て遺物を調査す)るといった感じの行動原理がある。
ネルケの父親は(登場しないが)過保護であるらしく、
ネルケが辺鄙な村から自分たちのいる都会に帰ってくるように願っている。
そこでネルケの村の発展事業に課題を出してくるのだ。
(公私混同だ…)
課題は最初は人口300人と言った簡単げなものだが、だんだん厳しくなってくる。
遺物は異世界とつながる力があるらしく、
今回ネルケが探索しようとしている遺物の力で、ロロナやらマリーといった異世界の錬金術師たちが村に来てくれることになる。
自分たちも(帰るためなどで)遺物を調査したいのでネルケに協力したほうが美味しい。
そんなわけで、シナリオ的には無理なく街づくりと研究を両立させることになっていると思う。
アトリエシリーズお約束だと思うが、膨大な数のイベントがあり、
今回歴代キャラが揃っている都合上会話コマンドが埋まりっぱなしになるほど賑やか。
そちらを重視している人もまあ満足なんじゃないかと。
ゲーム性
自分はどっちかといえば経営シミュレーション要素を期待していたので、そちらを語る。
先ほどCivilizationとカイロソフトの2つのシミュレーションゲームを挙げたが、
まさにこの2つの中間のような印象のシミュレーションパートになっている。
Civilizationシリーズの特徴はなんといっても勝利条件が複数あるということだと思う。
戦争でライバルを蹴落とすもよし、科学で一人ロケットを飛ばすもよしなのだ。
しかし戦争でライバルにダメージを与えることは、科学で一人ロケットを飛ばすためのアドバンテージでもある。
各勝利条件にはシナジーがあるのだ。
ネルケの場合は、勝利条件(エンディング条件)は「メイン研究を最後まで終わらせた状態でボスを倒すこと」だけだと思われるが、
そこに持っていくために、「メイン研究を進めつつ調査にお金がいるので店パートも頑張る」と言ったようなシナジーを期待する要素がある。
結果、なんとなくプレイフィールが似ている。
Civは本当に参考にしたんじゃないかと思っていて、
「終わらない建設で理想の街を目指す」タイプ(シムシティやThe Tower)ではなく「比較的短いプレイをなんども試して今回はこうなったか」と楽しむタイプのシミュレーションにしあがっている。
ただ、それを十全に面白がるにはちょっとまとまった時間が必要。
カイロソフトについては、あのリソース管理感が素材と調合で完全に発揮されている。
ただ、アトリエもそもそもリソース管理が主軸であったのでこれは参考にしたわけではないと思う。
面白み
このゲームの面白みは、複数ある道の中からどれを選んでいくかという「行動指針のブラッシュアップ」だと思う。
例えば、さっきも書いた臨時お手伝いのお姉さん、とても能力が低いのだが、
畑などの生産系施設はそれなりにこなせる。
そこで「畑を多く建て、臨時お姉さんでなんとかする」パターンと「畑も少数精鋭にし、顔ありキャラに任せる」パターンができる。
どちらも同じ程度素材が入るとすれば、違いは
- 資金の消費。多く建てるほうが資金消費は高い
- キャラの消費。お手伝いさんは無限だがキャラには限りがある
- 土地の消費。これは「開発面積」が評価対象なのでいい面と悪い面(思い通りの町にならない)がある
と言ったところか。
正直、どちらも正解なのだが自分の理想にはどちらが近いのか、
という吟味の楽しみがある。
ちなみに自分は初回プレイ(バッドエンド)では土地に積極的にキャラを配置したが、クリアしたプレイでは臨時お手伝いさんを活用した。
まとめ
行動パターンを吟味する楽しみがあるゲームって、それだけで面白いゲームだと思う。
で、あとキャラはかわいいのはお墨付きなので(自分はフィリスとヴィーゼが気に入った)
合えば満足感のあるゲームだと言える。
問題として、今誰に何を依頼しているかという一覧性がいまいちなのと、
休日パートと平日パートの密接さはもっと高めたほうが良かったのではないかという気がするくらいかな。
満足度の高いゲームでした。
サブスクとフィジカルの違いはAWSとレンタルサーバーの違いに少し似ている
あらまし
徒然なるままにはてなを見ていたらこんな記事が新着していた。
それによると1再生1円未満が多い。
自分もサブスクで楽曲を配信しているので、
脊髄反射的にこんなコメントを投げた。
サブスク系音楽は1再生でいくら払われるのか
- [音楽]
ボカロ曲を各種サブスクに配信している俺の出番。89再生の曲が$0.25で44再生の曲が$0.24なのでスキップ率とかそういうのも計算されてるっぽいよ/訂正スキップ率じゃなく同一ユーザー(ロシア?)の再生が相対的に安く
2019/01/08 20:36
まず自分が使っている、SpotifyやAppleMusicとの仲介というか登録代行をするサービスであるところの、LANDR( https://www.landr.com/ja/ )に赴き、
89再生の曲が$0.25、44再生の曲が$0.24だという事実に気づき、それをコメントした。
その後LANDRの収入状況みたいなページから自分の曲の視聴状況の詳細が書かれたCSVを落とし、
それによると89再生の曲は同一ユーザーが多くかけていたっぽく(ロシアと思われるストアを通していたので同一と判断)、
同一ユーザーの再生は安めに査定されるのかなと思い訂正を書いた。
が、訂正もあってるかどうかわからない。
厳密さ=分かりやすさではない
Spotifyなどサブスク勢は、おそらく厳密に金額を査定している。
ときどきサブスクがあまりにもマージンを取っているとしてアーティストが楽曲を引き上げるニュースを見るので、
なおさら間違いがないかどうか入念なチェック体制を敷いているはずだ(はずだ)。
しかしその厳密さが、人間の理解できる力を超えてしまったとき、
なんかわからんけど収入はあるみたいだしいいや、みたいな、怠惰な関係になってしまう。
自戒だがこれはよくない。
自分はこの支払いのCSVを見て、
AWSの料金体系を連想した。
AWS、Amazon Web ServiceはWebで何か運用しようと思ったときのデファクトスタンダードだが、
料金体系は従量課金制で、とても分かりやすいとは言えない。
一般的なレンタルサーバーのように、一月いくら、ではなく、
使ったら使ったぶんだけ支払うという形式なのだ(一部除く)。
そして複雑だ。
ここまでのまとめ
サブスクやAWSは、
厳密で(おそらくは)公正な料金体系を作っているが、
厳密さゆえに理解力が追いつかない。
それゆえの問題
作曲側・Web管理側でさえそうなのだから、
リスナー側・ユーザー側からはますます不透明だろう。
そう、不透明なのだ。
厳密で、公正なんだと信じてはいるけど、
公正だと言い切れない不透明さ。
ここを解決しないとサブスクにも暗雲が漂うのではないか。
解法