最近わりと見かけるコードの4-1-5-6m進行はどういう意図があるのか
4−1−5−6m進行とは
テイラー・スウィフトのこの曲
でおなじみのコード進行、4-1-5-6m進行(名前は特にない?)。
1度がその曲のキーだとして、4度のコード(サブドミナント)から始まり、1度に戻ってきたあと、5度(ドミナント)に向かって(ここがカッコいい)6度のマイナーに落ち着くという、なかなか使い勝手のいい進行である。
使い勝手◎
コード進行で有名なカノン進行(1-5-6m-3m-4-1-2-5、バリエーション多々あり)と比較すると、
- カノンほど濃くない(これ大事)
- それでいてストーリー性がある
- 適度に浮遊感がある
などの理由で、適材適所とはいえ使い勝手では勝ると思われる。
カノンは濃い。バラードとかにはいいのだけれどコード進行に浮遊感が求められるジャンル(ダンス系になるだろう)には向かない。
しかしこの進行、冷静に考えるとあまりセオリーに則ってない気がする。
そこでこの記事では、どういうところから4−1−5−6mが導き出される(出された)のかを考察する。
まずどこに違和感があるのか
例えば4−5−6mやその兄弟とも言える4−5−3m−6mは、流れが感じられる。
サブドミナント(4)はドミナント(5)へ進み、ドミナントはトニック代理(6m、3m)につながるという、和声の理論的にかっちりした流れだ。
そこへ行くと4−1−5−6mはサブドミナント(4)からトニック(1)へ進み(そういう流れもあるが)、トニック(1)からドミナント(5)へ進み、ドミナント(5)からトニック代理(6m)につながるという、まあありっちゃありなんだけどストレートではない流れをしている。
でも美しい。そして自然である。
美しくて自然なら、何らかの法則が隠れているのではないか。
慌てて言い添える
別に理論的にかっちりした流れしか認めないというわけではない。
例えばEmaj7-Cmaj7-Emaj7-Cmaj7という流れの曲をこの間作ってボツにしたが、これは理論というよりは単にmaj7をCに平行移動した感じで作っていた。
そういうのがいい場合もある。
また、どういうところから導き出されたにせよ、いったんできてしまった進行は理解できないままパクってもよい。
よほど技巧を凝らした作風でなければ、実用には理解できないままのパクリで問題ないと思われる。
そもそも、和声といえばクラシックかジャズ(ポピュラー)かだが、どっちにせよそんなもの広大な音楽の一部でしかない。
仮に4-1-5-6mが和声的に「間違っていた」としても、他の音楽の体系では問題でない可能性が高い。
ただ、4-1-5-6mは自然に聞こえるので、和声的にも「正しい」のではないかと思っただけだ。
長い言い訳だった…本編に戻る。
1.4度下降(アーメン終止)の連続では?
ちょっとブルースやゴスペルが入ったロック、テデスキ・トラックス・バンドあたりでは5度(ドミナント)からの終止をせず、4度(サブドミナント)からの終止をすることが多い。
これはアーメン終止と言われている。(確か教会の賛美歌から)
で、ダブルアーメン(これは自分が名付けた)をすることもあって、
その場合
4度上のさらに4度上(短7度・B♭)- 4度上(4度・F) - 主和音(1度・C)
という動きをする。
これをFから始めれば、
4度上(F) - 主和音(C) - 4度下(G)
という動きになる。
数字で言うと4-1-5。5で終わるのもいいけど6mをつけてきれいに終わらせて完成。
長所:4−1−5が見事に説明できる。
短所:6mつけたしなん?
2.1-5-6m-4を並び替えた形では?
1-5-6m-4というのは実はよくあるコード進行で、例えばレット・イット・ビーのイントロとかがそうだ。
これを4から始めれば、4-1-5-6mが完成する。
1-5-6m-4を練習中に偶然そうなって広まったりしたのかもしれない。
長所:6mも含めて完全に説明する
短所:1−5−6mはトニック-ドミナント-トニック代理という流れだが、サブドミナントから始まるとその流れは感じづらい。
聴覚上も1−5−6mがセットにはあまり聞こえず、4−1と5−6mがそれぞれセットのように聞こえる。
3.ファーミーレードーという流れに強引に和音をつけた形では?
こだわりすぎじゃないか。機能に。
ファーミーレードーというこの上ないほどシンプルな横の流れに、違和感なく縦のハーモニーをつけたら4-1-5-6mになったんだよ。
長所:4-1-5-6mの「自然さ」を説明できる
短所:4-1-5-6mにかぎらず、いろんなファミレド和音がありうる。
回答は出揃ったが
解答はない。あるいはあるのかもしれないがちょっと自分ではわからない。
ただあえて選ぶなら3.かなあと。
何故かと言うと自分が実際件の進行からファミレドを感じるから。
1-5-6m-4が並び替わった説は思いついたとき面白かったけど、やはり理屈より自分の感覚のほうがね、音楽を知ってる気がするのですよ。
ではまた来週!(本当か)
おまけ
ファーミーレードーの流れを含んだ進行は、
まず4-1-5-6m。
F(ファラド) - C(ドミソ) - G(ソシレ) - Am(ラドミ)
の他に4maj7-3m7-2m7-1maj7
Fmaj7(ファラドミ) - Em7(ミソシレ) - Dm7(レファラド) - Cmaj7(ドミソシ)
もあって、Em7ミソシレをConEミソド、
Cmaj7ドミソシをAm7ラドミソに変えると、
スティーリー・ダンのPegのサビになる。
ぺぐだいすき
DTMerが自作曲を発表する場としてのWebサービス
この記事は
DTMer(デスクトップミュージックをする人)が自作曲を完成させたとき、それを公開する場としてのWebサービスを比較・検討する記事。
サービスはどれもそうだと思うが、使う側が何をしたいかによって向き不向きがあるので、この記事が選ぶ際の参考になればいい。
ある程度知っているものしか挙げられないので、これ以外のサービスもいい可能性は当然ながらある。
早速本編
YouTube
長所:爆発力 無料
短所:検索性 動画
まずは動画サイトの最大手、ようつべことYouTube。
その長所はもし当たったときの伝播力、爆発力で、PPAPとかぶーしゃかループとか、話題になればすごい速度で広がっていく。
また、基本的に無料で十分使えるということもポイント。
短所はあまりに大手過ぎるゆえの検索性・一覧性の悪さで、普通に動画を上げてもまず日の目が当たらない。
動画サイトであるゆえ、動画として作るのに多少のハードルがある。mp3を投げるだけですむサウンドクラウドなどのほうが手軽。
コメント機能があり、気に入ってもらったら何らかのコメントが付く可能性はそれなりにある。
niconico
長所:親ボカロ性 レスポンス
短所:独特 実質有料 動画
niconicoはVocaloidがカテゴリとして存在し、ボカロカテをいつもチェックしている人も多いなどVocaloidが盛り上がっている。
ボカロ以外のオリジナル曲は「NNI(ニコニコインディーズ)」タグで投稿することになるだろう。そんなに悪いものではないと思う(たぶん)。
最大の長所だと思うのは視聴者の反応がすぐコメントやタグに現れること。単純に楽しい。
短所として「独特」を上げたが、なんかガラパゴス的というか閉鎖性みたいなものを感じなくはない。
また、プレミアム会員にならないと動画のクオリティを上げづらい。
Youtubeと同様、動画サイトなので動画として作る必要がある。最低限、静止画に歌詞だけ動くくらいの動画は欲しい。
SoundCloud
長所:手軽
短所:将来
音雲、SoundCloudは音楽投稿サイトの最大手。
音楽投稿サイトなので動画はいらず絵もそんなに重要ではない。mp3やwavを投げ込めばほぼことがすむので手軽。
コメントなどレスポンス性はニコニコなどに比べると劣るが、「いいね」はけっこうつく。
有料会員になるとアップロードできる曲数が増える。この制限も音楽投稿サイトとしてまっとうで、試すだけなら無料会員で十分というのがいい。
短所に将来と書いたが、なんか経営難らしい…
Bandcamp
長所:利益率? 手応え?
短所:ハードル?
あまり利用したことがないのではてなマークつき。
Bandcampは言ってみればCD売り場を提供するようなサイトで、自分の曲を値段をつけて売ることができる。
Apple Music, Spotifyなどの配信サービスを介する場合と比べ、直接売れるというのは嬉しい。
しかしながらそれだけ自信作を投げ込まなきゃいけない気がするので心理的ハードルはある。
Booth/Apollo
長所:利益率 手応え
短所:ハードル
Pixivが提供するWebショップサービスで、音楽を売ればBandcampとほぼ同様に使うことができる。
Boothは常設で、Apolloは年一回くらいのイベントとして開設される。
配信サービスを介するのに比べ、直接なので利益や手応えは感じられる。
しかしながらそれなりにまとまった作品を投げ込みたいので、SoundCloudのような気軽さはない。
当然視聴者側にもお金を出すというハードルがあり、そこを乗り越えられると思ったときにはチャレンジすべき。
LandR
長所:意外と手軽
短所:レスポンス性 有料
LandRは人工知能を使った自動マスタリングで話題になったサイトだが、Apple Musicなどへの配信の登録代行も行っている。
その登録が比較的手軽だったので、使うならLandRにしようかなと思っている。
料金体系は、月額数百円の会員費の形であり、登録自体にはお金はかからない。
TuneCore
Router FM
長所:まだわからない
短所:初期投資
二つともApple Musicなどへの登録代行。
初期投資というか、楽曲登録の際に利用料がかかる仕組み。その分、その後の利益率が高いかもしれないが、自分はちょっと二の足を踏んでしまった。
Frekul
長所:先進性
短所:特にない
ミュージシャンを支援するサービスで、機能としては
などがある。
1は視聴者というかファンにメールマガジンを登録してもらい、メールを通じて告知などができる。
2はFrekul内で登録された曲たちが聴けるアプリで聴いてもらう。
3はそのまま、配信サービスへの登録代行。LandR同様、登録自体にはお金がかからないタイプ。
それぞれ趣が異なった機能があるので、利用するなら目的を明確にしたい。
Audiostock
長所:収益性
短所:自由度
ちょっと毛色の違った販売サイトで、動画やゲームなどのBGM,効果音を販売代行してくれる。
収益性が長所とはいえ、Boothなどに比べ利益率は低いと思う。
また、直接依頼はされないとはいえ自由度は低いというかあまり無茶はできない。
しかしながらプロ志向の人にはいいと思う。
Twitterの動画
長所:コミュニケーション性
短所:動画 保存性 90秒制限
たしか長さに90秒という制限があり、音楽としては絶妙に痛い。
しかし曲を投げてフォロワーさんに聞いてもらうという、コミュニケーションはできそうな気がする。
動画なので動画用の知識も必要、ツイート固定機能はあるものの流れていってしまいやすい。
まとめ
こうしてまとめて見て改めてわかったのだが、音楽を発表する際のサービスを選ぶ基準として
- どの程度音楽以外の作業を要するか
- どの程度レスポンス性があるか
- どの程度お金がかかり、どの程度収入(あれば)が得られるのか
- どの程度の「覚悟」が必要か
と言った要素が考えられる。
1は例えば動画やアートワークを作る、楽曲情報を入力するなどの手間で、ガンガン作っていくタイプ(自分)には少ないほうがいい。
2はコメント、いいね、売上など視聴者からの反応のよさで、あるとすごく嬉しいのは当然。
3はまあサービスを利用する上で必要になってくる基準で、どの程度財布に負担がかかるのか。
4は例えばBandcampやBooth、Apple Musicなどで売るのと、SoundCloudで無料で投げるのとの覚悟の差。
これらの基準でどこに発表するかを決めればいいと思う。
自分はどうしようかなー。
余談
なお、発表自体はするかしないかならしたほうがいいと思う。
理由は、それが作品にとって大きな区切りになるからで、だらだらと手を入れ続けてしまったりすることを防げるし反応ももらえるから。
まあでも発表しないのも自由だしそれも尊い音楽だ。
自作曲のリリース状況についてまとめ&告知
あらすじ
最近、作曲WebアプリのSoundTrapで曲を何曲も作るということをしたので、マスタリングに一曲ずつ時間をかけるのが難しく、自動マスタリングサービスのLandRを利用して一気にマスタリングを行った。
その際、LandRにはリリースサービスもついているということを知り、試験的に過去曲の「歌うたいとエンジニア」「So What」をリリースした。歌うたいとエンジニア / So What - Single - Mkirihassha P
( ↑なんかつづりが違う…)
前日譚
それとは別に、見切り発車Pは去年のM3秋に参加しており、その際アルバム「The Adventure Of The Stranger」を上梓していた。
また、ミュージシャン支援サービス? FrekulにもApple Musicなどへのリリースサービスがあり、これまた試験的に The Adventure Of The Strangerをリリースしていた。The Adventure of the Stranger - Mkirihassha P
(↑なんかつづりが違う…)
というわけで告知します
「歌うたいとエンジニア」はパーカッションがたくさん入った楽しくもブルージーな曲で、
「So What」は変わったコードの流れが特徴のロック風バラード。
「The Adventure Of The Stranger」は冒険者の旅立ちから旅の終わり、次の旅立ちまでを描いたコンセプトアルバムになっている。
どれもおすすめ。
なぜ複数箇所で試験的リリースをするのか
自分がもともと新しいものやことを試すのが好きというのがまず一点。
もう一点はニコニコに主軸をおいた音楽活動にちょっと無理が生じてきているような気がすること。
ニコニコは動画サイトなのにもかかわらず、自分の発表するのはどんどん視覚的要素が減ってきているので、音楽だけもしくは音楽の比重を高める必要があるのかなと。
ニコニコに上げた曲のMP3入手先としてSoundCloudも存在し、SoundCloud一本にするという選択肢もあるけど、なんかこうもうちょっと違う手は無いかなあと今模索している。
今後の展開
LandRでのリリースは比較的(ニコニコやフリクルに比べ)負担が少ないのがわかったので、LandRリリースを中心にする…かもしれない。
しばらくはニコニコとLandRでのリリースを平行してやろう…かなあ。
自分でも今後の展開はよくわからない。要注目だね。
シンセサイザーでシンセキックをシンセサイズ
前置き
最近シンセサイザーの音作りにハマっていて、お金が溜まったら実機も買いたいな〜と思っていたりする。
そのシンセでキック(バスドラム)の音を作ることを最近覚えたので記事にしてみる。
環境
使用したシンセ音源はDaichiさんが制作したSynth1を使わせていただいた。
Synth1にした理由としては、フリーソフトウェアであり、基本的なパラメーターが揃っているので説明しやすいと思ったため。
では行ってみよう。
準備
Synth1を立ち上げる。
シンセサイザーはいろいろな使い方ができるだけにUIが重要になってくるが、Synth1のこの画面は必要なものが揃っている上にわかりやすい。
Synth1のトラックに4つ打ちのMIDI情報を打ち込み、ループ再生しておく。
以後はループしている4つ打ちを聴きながら音を確かめつつ音作りする。
各種設定のキャンセル(兼、設定の説明)
最初はfuwaaというふわーっとしたプリセット(音の設定)がロードされているが、ここをクリックしてinitial sound(初期設定)に変更する。
これが初期設定だが、まだちょっとふわーっとしている。ディレイ/コーラスもかかっている。自分はもうちょっとシンプルな音(オルガンみたいな)で音作りすることにしているので、これから設定を変えていく。
LFOセクション。LFOはパラメーターを揺らすことができ、例えば音量(amp)を揺らすとほわほわしたトレモロの音になる。
1,2と書かれたLEDっぽいボタンを押すとLFOを解除できるので、しておく。
ディレイとコーラスも同じ要領で切っておく。
ところでディレイはやまびことかエコーの効果で、コーラス/フランジャーは音色をきらきらとかしゅわしゅわさせるものだが、どちらも原理は同じで音を少し遅れて発音させるものだ。
原音に遅れてかぶさってくるのでエコーに聞こえるのがディレイで、原音に近いので音が重なって音色が変わるのがコーラス/フランジャー。
Voiceセクションでは同時発音数を決めることができる。
キックを同時に鳴らすことはないので、mono(同時発音数1)にしておく。
まあ同時に鳴らさないから1でも16でもそう変わらないのだが、一応。
ではいよいよ音作りに入る。
音作り
自分はまずオシレーター(OSC)を選ぶところから始める。
オシレーターは基本的な波形を選ぶことができる。
Synth1の場合、サイン波(丸いやつ、時報の音)、三角波(三角のやつ、時報にちょっとクセがついた感じ)、ノコギリ波(三角を寄せたやつ)、矩形波(四角いやつ)の4つを選べる(これはOSC1の場合で、OSC2にはサイン波がなくてノイズが入っている)。
今気がついたのだが、このサイン波、三角波、ノコギリ波、矩形波の並びはクセが強い順(倍音が多い順)なのかもしれない。
倍音が多いほどきらびやかだったり高音成分が多かったりする。三角波はやや少ない倍音を持ち、これで低音を鳴らすと高音成分はあまり含まれない。
しかし今作ろうとしているのはキックの音なので、高音成分はなくてもいいのだ。
MixのセクションではOS1とOSC2を混ぜる割合を決めることができる。
さっきの三角波はOSC1だったが、もう一つOSCが用意されていて、混ぜることで複雑な音色を作ることができるのだ。
が、ここでは混ぜない。キックの音にそんな複雑さは必要ないのだ。
OSC1、OSC2と言ってきたが実はもう一つOSCがあって、これはsubという名前の通り低い音程の音を混ぜることができる。
キックには低音の迫力があるといいので、-1oct(オクターブ下)の三角波をほんのわずか混ぜることにする。
key shiftのセクションではキーボードというかMIDIの入力した音程から、発音する音程をズラすことができる。
例えば-1にしておいて、「中央のド(C3)」を入力すると「シ(B2)」が出力される。そういうことはあまりしないが。
上の例でわかるように、単位は半音だ。
ここではマイナス24という大きな数字を選ぶ。
中央のドを入力するとその2オクターブ下のドが出力されるのだ(サブオシレーターに至っては3オクターブ下)。
えんべ
エンベロープ
個人的にはオシレーターより重要な設定である、Ampセクション。
音量のエンベロープを設定できる。
エンベロープとは聞き慣れない言葉だが、意味は自分も知らない。
だが、エンベロープを変えることによって音の時間的な変化を変えることができる。
例えば
- キーを押した瞬間は強力だが、時間とともに減衰する音(打楽器向き)
- キーを押した瞬間は無音だが、時間とともにフェードインするように大きくなる音(ストリングス向き)
と言った違いを生むことができる。
上のスクリーンショットに写っているのは見切れているがA,アタックのAのノブだ。
Aはアタックの早さを決めることができ、0にするとキーを押した瞬間にいきなり最大音量が出る。
ノブをひねれば、「最大音量になるまでの時間」が長くなり、フェードイン効果を生む。
打楽器やピアノ、ギターあたりは打面や弦を叩き、その後は何もしないからいきなり最大音量パターンだ。
そしてキックは打楽器なので、Aは0もしくはかなり小さい値でいい。
Aは最大音量に達するまでの時間だったが、このD(ディケイ)は最大音量に達したあとのことを決めることができる。
ギターで、パームミュート(掌を弦に当てながらのピッキング)した場合としていない場合を比べてみると、
- ミュートした場合はアタックのあと、音量は急速に減衰して音が消える。コポコポした音になる。
- ミュートしていない場合は音量はゆっくりと減衰していく。素直なポーンという音になる。
この違いを表したのがまさにディケイだ。
キックの音については、単純な大太鼓と違ってドラムセットのバスドラムは余韻が明らかに短い。
よって、ディケイは「早め」の設定にする。
ノブをいじりながらちょうどいい塩梅を見つけよう。
続いてS(サスティン)。これはキーが押されている間の基本音量を決める。
と言っても難しいが、さっきのミュートしたギターとしていないギターでいくと、
- ミュートしたギターはディケイのあと、音量はほぼゼロになる(音が消える)
- ミュートしていないギターは弦を押さえている間はある程度の音量がある。
つまりサスティンは、ピッキングしてその後減衰はしたが、まだ弦を押さえている間の音量を決められるのだ。
キックの場合は明らかにミュートしたギターに近い(布団などをバスドラムの中に入れてミュートしたりもする)。
よって、Sはゼロにしておく。
もう一個あるのがR(リリース)で、これはさっきの例でいくと弦から手を離したあとの余韻を決められる。
キーから手を話したあとの余韻と言ってもいい。
Rが大きいほど、余韻の時間が長くなり、ゆっくり減衰する。
が、サスティンゼロならこのパラメータあまり意味ない。
これもゼロにしておく。
フィルター
フィルターの原理は難しそうだが、語感でなんとなくわかるように音をフィルターにかけることができる。
タイプが5つ用意されていて、その内3つはLP(ローパス)系、そして残りがHP(ハイパス)、BP(バンドパス)だ。
まずローパスから行くと、これは低音成分を残して高音成分をカットするフィルター効果になる。
音をこもったり湿気たりした感じにできる。
12と24はどれくらい急なカットをするかになる。
12は1オクターブにつき12DB(デシベル)、24は1オクターブにつき24デシベルカットするんだったかな。
24のほうが急なカットができると覚えておけばいい。
なお、LPDLというのは使ったことがないのでわからない。
ハイパスはローパスの逆で、低音をカットして高音をそのままパスする。
バンドパスは指定した帯域を残して高音も低音もカットする。
キックに向いているのは明らかにローパスなので、ここはLP24を選ぶ。
シンセの原理のせいなのか、他の音を作るときもローパスが多い。
フィルターセクションのfrq(フリーケンシー)では、ローパス、ハイパス、バンドパスの基準となる周波数を決めることができる。
例えばLP24モードで、周波数frqが1000だったとしたら、1000を基準に、周波数2000のところは24DBカット、周波数4000のところは48DBカット、というふうにカットしていく。
なのでかなり重要なパラメータになる。
キックの場合、かなり低い位置を基準にカットしたほうがうまくいくと思う。
フィルターにもADSRがある。
正直こちらのADSRはあまり理解できていないのだが、まあ基本は同じと考えていい。
Aはフィルターがかかるまでの時間、Dはフィルターがかかってからの減衰。
問題なのは、ハイパスとローパスで逆の動きをすることだ。
例えばローパス時は、発音の瞬間はフィルターがかかっておらず、それからAパラメータに従ってだんだん高音がカットされ、その後Dパラメータに従ってだんだん高音が戻っていく。
ただしそれは、
このamtが中央から上にあったときだ。
amtはなんの略か知らないがおそらくデフォルトのフィルター状態をしめす。
つまり時系列順に言うと、
- amtに従った位置にフィルターのfrqがある(frq:5000)
- Aに従ってフィルターがかかっていく(frq:5000〜1000)
- Dに従ってフィルターが戻っていく(frq:1000〜5000)
という動作をしているものと思われる。
このフィルターセクションのかかり具合は予想が難しいので、4つ打ちをループしつつ耳で合わせる感じが良いと思う。
またオノマトペのちからも借りよう。
さきほどの5000〜1000〜5000というfrqの動きなら、フィルターは高音をだんだんカットしていき、また高音に戻る。なので「ワウワ〜」みたいな感じになる。
キックはというと、喋ってみよう。
「ドン」だろうか?
間違いではないが、もっと正確には「ドゥーム」ではないだろうか。
「ドゥーム」の「ド」はアタックなのでおいておいて、「ゥーム」はなんとなく、「ワウワ~」の「ワウ」部分に近い。
つまりキックの音は、フィルターを上から下にかけてそのまま戻らない感じなのだ!
なのでAを0付近に、Dを短めだが変化は分かる程度にする。SとRはあまりいじらなかった。
仕上げ
ここまででだいぶキックっぽくなったので、もう一度エフェクトを検討する。
キックは余韻が少ないとは言え、ゼロではない。その感じを表すためにわずかに短めのディレイをかけた。
忘れないように保存しておこう。保存すれば他のプリセットと同様に呼び出すことができる。
他の楽器もsynth1で作ってみた。
出来上がった音源がこれ。
好きな音楽アルバムについてふぁぼが無くとも語る
前説
ツイッターで #ふぁぼされた数だけ自分の好きなCDアルバムを紹介する というハッシュタグがあったので、
思わず自分も便乗ツイートしたのだが、思ったよりふぁぼが少なく語りきれなかった。
いや、ふぁぼが少ないのではなく、むしろ語りたい気持ちが大きいのだと言えよう。
そこでブログですよ!
ブログなら語り放題!
ということでこの記事は好きな音楽アルバムについて適当に語る記事です。
取り上げているアルバム
-
Keb' Mo' / The Reflection
-
Simon & Garfunkel / Bookends
-
Nick Drake / Pink Moon
-
Van Morrison / The Healing Game
-
x / Ed Sheeran
-
Curtis Mayfield / Curtis/Live!
-
Miles Davis / On the Corner
Keb' Mo' / The Reflection
ブルースなのだが、ブルースに似合わぬリズムのありかたというか、他ジャンルの(ヒップホップとかR&Bの)エッセンスを感じるバッキングに乗せてブルージーなボーカルとギターが紡がれる。
特に違いを感じるのはドラムで、伝統のブルースのドラミングも好きなのだが、やはり今の耳にはこういうスネアドラムの位置が聞きやすいのだと思う。
Simon & Garfunkel / Bookends
あまり「時代背景」とかを意識せずに音楽を聴いているのだが、このアルバムの冒頭はちょっと聴いただけでそれとわかるサイケの時代。
そう思って聞くと「Old Friends」あたりはビートルズ「エリナ・リグビー」の室内楽ストリングスに対するポール・サイモンの回答のような気がしてくる。
ただ別にサイケを意識せずとも聴ける作品であり、後半に入っているヒット曲たちの弾けるようなエネルギーはすごい。
Nick Drake / Pink Moon
このアコギの微妙な陰影。憂鬱な音ではあるのだがブルースのブルーとは違うし天国への階段あたりの重苦しい憂鬱とも違う。
たぶんテンションコードが山盛りになっている。テンション音はすなわち不協和音であり、ニック・ドレイクは不協和音を操るのが実に巧みだ。
なにげにボーカルも好きだったりする。テンション使いが上手で味のあるボーカル、ということでジェームズ・テイラーと近い気もするのだが、ニック・ドレイクはもっと影が濃い。
Van Morrison / The Healing Game
ヴァンはまたヒーリングについて歌ってるのかよ、って感じなのだが、いいものはいい。
ヴァン・モリソンのこの時期は個人的にスマッシュヒット連発の時期で、実際この辺りの時期で2枚組アルバムも出しているから調子が良かったんだと思う。
で、そんな調子のいい時期の中の一つ。
楽曲もほどよくバラエティに富んでいて、演奏もピアノを始め素晴らしく、ヴァン・モリソンのボーカルは神がかっている。
x / Ed Sheeran
実力派ならではの大ボリューム。
先ほどのヴァンのアルバムでは、「ほどよくバラエティに富んで」いることを褒め言葉として使った。
この加減が難しく、全部同じような曲調でもダレるしバラバラすぎても聴き疲れする。
その隙間のほどよい加減を、狙って突くのは難しい。ヴァンもエド・シーランもおそらく狙ってはいない。
それでもほどよくなるのが、なんかこう実力の証的な…?
特にこのアルバムは、ラップ・ヒップホップに影響を受けつつもポップな弾き語りをするという基本線の中で色々と変化がついており、すごいなと素直に思う。
Curtis Mayfield / Curtis/Live!
このしなやかで力強く、奥ゆかしくも心沸き立つグルーヴ感。
ライブ盤はあまり聴かないのだが、これだけはスタジオアルバムより聴いてる(はず)。
ドラムの人が神がかっており、カーティスの声もよく、曲もぱっと聴き同じ演奏に聞こえるけどよく聞くと曲の旨味を活かしている。
Miles Davis / On the Corner
なんか変というか異常なテンションで全然ついていけないのだが、ついていけないのが悔しくて何度も聴いてしまうという恐ろしい一枚。
冒頭に入っているOn the Cornerという曲がいけないのだ。濃い曲が揃ったこのアルバムの中でもひときわ濃い。
アルバムジャケットのせいか、インドっぽい。カレー。
Black Satinあたりはわりと聴ける。On the Cornerは鬼門。でも聴いちゃう悔しいビクンビクン
一人用マストドン作った
なぜ一人用か
- せっかくリモートフォローという機能があるんだから活用したかった
- パスワードは漏れにくい(たぶん)
- サーバー周りの勉強のため
手順
- AWSを利用しようと思った。以前から手軽だというAWS Lightsailが気になっていたため、それを使うことに。
- まずLightsailのインスタンスを作成。*一番小さいやつにするとメモリが足りないっぽい*ため、2番めに小さい$10のを選択。ちなみに、メモリが足りないことに気づかずしばらくハマった。
- SSHでログイン。コンソールっぽいものが立ち上がる。ここまではすごくお手軽でLightsailすごいってなる。
- sudo yum update -y と打つ。sudo:管理者権限でするよ! yum:なんかいろいろインストールできるやつ。 update:yumのコマンドで、各プログラムを最新にしてくれる。 -y:イエスかノーか聞かれる前にイエスと行っておくオプション。
- docker と docker-compose を入れる。dockerとは仮想マシンみたいなもので、ちょっと便利なやつ(あやふや)。
- sudo tee /etc/yum.repos.d/docker.repo <<-EOF
[dockerrepo]
name=Docker Repository
baseurl=https://yum.dockerproject.org/repo/main/oraclelinux/6
enabled=1
gpgcheck=1
gpgkey=https://yum.dockerproject.org/gpg
EOF
sudo yum install docker - sudo su -
sudo curl -L "https://github.com/docker/compose/releases/download/1.11.2/docker-compose-$(uname -s)-$(uname -m)" -o /usr/local/bin/docker-compose
chmod +x /usr/local/bin/docker-compose - 上の二つでdockerとdocker-composeが入る。
- sudo service docker start と打つ。docker がスタートするんだと思う。
- sudo yum install git と打つ。これはわかる。gitをインストールしているんだ。
- git clone https://github.com/tootsuite/mastodon.git gitでmastodonのプロジェクトをコピーしてくる。
- cd mastodon mastodonフォルダができてるので移動する。
- cp .env.production.sample .env.production サンプルで入っている設定ファイルをコピーしてくる。
- nano .env.production 設定ファイルをnanoでいじくる。
- sudo gpasswd -a ec2-user docker ec2-userというuserをdockerグループに入れる。dockerを円滑に動かすには必要な処理。
- docker-compose pull docker-composeを使って必要なファイルを集めてくる。
- docker-compose build ビルドする。緊張の一瞬。
- docker-compose run --rm web rake secret ビルドが無事できてたらこれでシークレット文字列が発生させられる。シークレット文字列をメモる。
- docker-compose run --rm web rake secret ビルドが無事できてたらこれでシークレット文字列が発生させられる。シークレット文字列をメモる。
- docker-compose run --rm web rake secret ビルドが無事できてたらこれでシークレット文字列が発生させられる。シークレット文字列をメモる。
- nano .env.production 再び設定ファイルを開いて、シークレット文字列3つを所定の場所に入れる。
- docker-compose run --rm web rails db:migrate データベースの何か(不明)
- docker-compose run --rm web rails assets:precompile 察するに動かす前の下準備をしているんじゃないかな。
- docker-compose up -d dockerを動かす。これも緊張の一瞬。
- Lightsailの方でポート番号3000を開放する
- sudo iptables -t nat -A PREROUTING -p tcp --dport 80 -j REDIRECT --to-port 3000 開けた3000にリダイレクトするよう指定する。
- LightsailのIPにアクセスしてみるとサインイン画面になってるはず。
できたもの
ミケさん氏(見切り発車P)@mastodon - Mastodon@mastodon.mikiri.net
終えてみて
- 27項目もあったが、もちろん一直線にこの27項目をクリアしたわけではない。あれこれ試行錯誤した。
- あとこれだけだと画像やメールが使えない。docker-compose run --rm web rails mastodon:confirm_email USER_EMAIL=xxxxxxxx でメールを認証できる。
- が、メンバーが増えるたびに上記コマンドを入れるわけにもいかないので本当にお一人さま仕様。
- さらになんかセキュリティ上のリスクとかありそうで怖い。
- サーバー管理は向いてないわ…
- Qiitaはじめいろんなサイトの記事を参考にさせてもらった。すごく感謝する。
参考になる記事
オンコード たくさん おすすめ
オンコードとは
オンコードとは和音の重ね方の一つで、
「ルート音じゃない音をベースに持ってくる」とオンコードだと思われる。
ただしその中でも、
「コードの構成音じゃ無い音を持ってきた場合特にオンコードと呼ぶ」気がする。
例を挙げると、
低い方から「ド・ミ・ソ・シ」がルートをベースに持ってきた場合(通常)のCmaj7。
「ソ・ド・ミ・シ」がルート以外の音(ただし構成音)をベースに持ってきた場合(転回形)のCMaj7 on G。
で、
「ラ・ド・ミ・ソ・シ」がコードの構成音じゃない音をベースに持ってきた場合で、これがオンコード(Cmaj7 on A)。
と自分は解釈している。
今回の記事の説明
そのオンコードをいろいろ試して、おすすめを挙げていこうという記事を書きたい。
そこで問題になるのが「下を変えるか、上を変えるか」だ。
つまり、一定のコード(例えば、ドミソ)に対してベース音を変えていくのか、
一定のベース(例えば、ド)に対して上部の和声を変えていくのか。
自分は後者、つまり上を変えていこうと思う。
理由は二つで、一つは前者だとコードのメジャーとマイナーの扱いが難しくなること。
もう一つはやはりベースが和音の中で最重要だと思うからだ。
ベース音としては今回はわかりやすく「ド」を使用する。
あとMIDIキーボードでKontactのピアノ音源を鳴らし、ヘッドフォンで聴いたよ。
それでは行ってみよう
C on C (ドドミソ)
基本1。
こんな表記があるのかどうかわからないが、ベース音ドに対しコードもC、つまり普通のCメジャーコードを弾いてみた。
このコードの特徴は存在感があるのになぜか透明な感じがすることだ。
あとすごくジョンレノンのイマジンが想起されるのでイマジンすごい。
Cm on C (ドドミ♭ソ)
基本2。
Cメジャーとは一転して、透明感ではなく微妙な響き感が出てきた。
あとCメジャーの時は比較的最高音のソが目立ったのに対し、Cmでは構成音のミ♭が目立つように感じた。
なぜかおかずをつけたくなる響きで、一瞬シを入れたりベースをド→ソ→ドと動かしたりするのが似合う。
D♭ on C (ドレ♭ファラ♭)
これ好き。
全体としてはD♭maj7を構成するため、違和感が無い。
しかしCメジャーで通常使われるコードではないため、その点では違和感がある。
C D♭onC DmonC と上がっていってもいいし、逆に下がってきてもいい。
D♭m on C (ドレ♭ミラ♭)
無理がある。
D♭onCと同様、全体としてはD♭mmaj7を構成するため、響きには違和感がないと言いたいが、
そもそもマイナー・メジャーセブンス自体にちょっと違和感を覚える。
通常のD♭mからベースだけ下がるという使い方はできるが、Cメジャーのキーで使うのはちょい無理。
D on C (ドレファ#ラ)
オサレな響き。
ここまでの記事でもわかるようにオンコードはどの調を想定しているかによって評価が変わるのだが、DonCはDメジャーキーでもCメジャーキーでも使えそうな汎用性がある。
Dm on C (ドレファラ)
なんかラテン系。
Cメジャーの文脈で見てもDmの文脈で見ても使える便利な響きだ。
基本Cを鳴らしつつたまにDmonCを鳴らすというおかず的使い方が好き。
E♭ on C (ドミ♭ソシ♭)
クールな響き。
Cm7を押さえているのと同義なので、もちろん使える。
Cm7! という発想で押さえるか、E♭onC! という発想で押さえるかで使い方が変わってくるかもしれない。
当然ながら音は同じだ。
マイナーセブンスならではの硬質でクールな響きが楽しめる。
E♭m on C (ドミ♭ファ#シ♭)
あんまり好きじゃない。
構成音としてはCm7-5を押さえているのと同じことなのだが、音の積み上げ方がまずかったのかおかしな響きに。
あるいはm7-5は単体で聞くと変なのかも。
E on C (ドミソ#シ)
他との組み合わせで。
それほどおかしいわけでもないけどどこかおかしいという、どうにも扱いに困ったコード。
E EonD EonCのように流れの中で使えば輝くと思われる。
単体ではきつい。
Em on C (ドミソシ)
美しい響き。
のちに出てくるであろうAm on Cと並んでナチュラルな響き。
Cmaj7を押さえているのと同義。
ベース音のドに対してシがアンニュイかつ複雑な味わいを出している。
F on C (ドファラド)
脳天気でない明るさ。
このコードからベース音をオクターブ上で押さえることにしたが、それが関係しているのかどうか明るい響きのコード。
Cメジャーの文脈というより、Fメジャーの文脈を感じる。
しかしながらC FonC Cとやると王道バラードのスピリットを醸し出し始める。
Fm on C (ドファラ♭ド)
つなぎの名手。
上部のファラ♭ドが安定しているせいかベース音がドであることに違和感を覚える。
しかし事前にCメジャーコードを弾いておき、C FmonC Cという流れを作ってみると違和感がいい方向に変わる。
F# on C (ドファ#ラ#ド#)
なんじゃこりゃ。
いままでの中では一番使いにくそう。
明るさと奇妙さを同時に感じる強烈なキャラクター。
F#m on C (ドファ#ラド#)
ディミニッシュのスピリットを感じる。
ディミニッシュそのものではないが、ディミニッシュっぽい響き。
そういうのが必要になったら使えるかもしれない。
G on C (ドソシレ)
ナインスがおしゃれ。
なんとなくボサノヴァっぽい響きになった。
GonC AmonC FonCあたりを適当な順番で弾くことでリフになる。
すごくいい。
Gm on C (ドソシ♭レ)
定番の一つ。
これはC9というコードのミをなくしたものと捉えることができ、Gm7onCの形で定番化している。
さすがに性能は高く、汎用的に使っていけそうだ。
A♭ on C (ドラ♭ドミ♭)
転回形だがそれだけに自然。
ドが二つ出ていることでもわかるように、もともとA♭のコードにドの音はある。
つまり転回形と同じことだといえる。
それだけに音は自然で、さきほどのGonCなどとつなげて使うといい感じ。
A♭m on C (ドラ♭シミ♭)
意外なことに綺麗。
バラードなどで使えそうな硬質な美しさを感じる。
どういう理屈でこうなったのかわからないが綺麗なのは綺麗だ。
A on C (ドラド#ミ)
ドとド#は相容れない。
逆の順番(ド#がベース音でドがトッピング)ならよかったかもしれないが、この響きではちょっと使うのは難しそう。
本来明るい色彩のAがベース音によって曇らされてる。
Am on C (ドラドミ)
C6と同じこと。
つまりそれだけポテンシャルがあるということで、その性能は折り紙付き。
C6とCmaj7のどちらを使うかは好みになるだろう。自分は6のほうが好き。
B♭ on C (ドシ♭レファ)
フュージョンの高揚感。
これもGm7onCと同様よく使われる響きで、自分は高揚感を覚える。
ファが入っているためかsus4的な感じがある。なのでConC(普通のC)と混ぜてリフを作ったりできる。
B♭m on C (ドシ♭レ♭ファ)
ド#の壁。
レ♭と書いたが音としてはド#が入ってきてしまい、ちょっとむずかしい。
困惑したような場面で困惑感を出すのには使える…かも。
B on C (ドシレ#ファ#)
不協和。
ファ#が目立ってしまったためか不協和なイメージが先行した。
しかしこのコードの真価はConC(普通のC)への半音下からのアプローチだろう。
単純な半音移動だけに、その破壊力は絶大。
Bm on C (ドシレファ#)
まあこういうのもありか。
シ、レ、ファ#と綺麗にかぶさっていくのでファ#の不協和感も減少した。
使える響きだが、半音下からのアプローチ力(なんだそれ)は下がったかもしれない。
試してみて
響きに集中して音を聞くいいきっかけになったと思う。
反省点として、ベース音ドの上にコードを塊のまま単純に乗せたので、
ボイシング上不利になったコードもあると思う。
また演奏というよりちょっと試し弾きしただけなので、つながりで真価を発揮するコード群の評価が落ちたかもしれない。
そのへんは読者のみなさんが研究してカバーしていって欲しい。
いいコードライフを!