コードのF, Dm7, D♭maj7はメロディ「ファ」を共有する
作曲して遊んでいる人は気がつくと思うが、
あるコードと別のコードで同じ音程が使われていることは多い。
例えば、Cmaj7はドミソシで、Am7はラドミソだ。
この場合、ド・ミ・ソが共通の音程である。
同じ音程が使われていることの効果はいろいろあって、
例えば、同じ音程をステイさせるというテクニック「ペダルポイント」とかだ。
Cドミ「ソ」
->G「ソ」シレ
->Am7onDレ「ソ」ドミ
->Em7ミ「ソ」シレ
と、このコード進行を通じてソを鳴らし続けることができる。
オアシス風かも。
今回の主題はペダルポイントではなく、
メロディにコードをつける場合の選択肢だ。
同じ音「ド」を含むコード類は、メロディにドが出てきたときに使える選択肢になる。
選択肢を多く持っておいたほうが、いい選択ができやすい、はずだ。
そこで練習曲を作った。
まずは聞いてほしい。
同じメロディ「ド・ミ・ファ・ソ・ファー」のファの部分に3種類の異なるコードを乗せている。
これは適当に選んだわけではなく、順番にジャズ度・おしゃれ度が上がるように配置されている…つもりだ。
解説すると、
最初はメロディとドラムだけ。メロディは「ド・ミ・ファ・ソ・ファー」で、Cメジャースケールだ。
次はピアノでコードが入る。コードはC(ドミソ)->F(ファラド)。「ド・ミ・ファ・ソ・ファー」を愚直にたどるとこうなるだろう。
全然悪いわけではない。ただ、ジャズ度は低い。
次のコードはC(ドミソ)->Dm7(レファラド)。
C->Fのパターンと少し感じが違って、柔らかい気がする。
これくらいがちょうどいいおしゃれぐあいな気がする。
最後のパターンはC(ドミソ)->D♭maj7(レ♭ファラ♭ド)。
フラットがついた。知っているかもしれないが、Cメジャーでは基本的にフラットはつかないので、一時転調ということになる。
アンニュイな風を感じないか?(感じないか……)
さて、このFとDm7とD♭maj7、実はどれもサブドミナントなのだ。
(ただしD♭maj7はサブドミナント・マイナーという変種ではある)
そしてどれもファの音に対応している。ついでに言えば、ドの音にも対応している。
入れ替えて試してみるのにちょうどいいだろう。
ただし、ここで一つコードを入れ替えることがその次のコードに影響を与え、その次の次の…とドミノ倒しになる可能性はある。
完全互換ではないのだ。
さて続き。
この「F:サブドミナントの基本」「Dm7:Fの短3度下」「Dbmaj7:Fの長3度下」という動きを、他のコードでも試してみよう。
と言ってもCメジャー上でのメジャーコードはあと2つしか無い。CとGだ。
C(ドミソ) Am7(ラドミソ) A♭maj7(ラ♭ドミ♭ソ)
G(ソシレ) Em7(ミソシレ) E♭maj7(ミ♭ソシ♭レ)
うまくいったようないってないような結果になった。
最初のトリオ、C, Am7, Abmaj7はたしかにドとソに対応はしているが、
CとAm7が役割「トニック」なのに対して、Abmaj7は「サブドミナントマイナー」なのだ。
Gの場合はもっと複雑で、
Gがドミナント、Em7がトニック、Ebmaj7はよくわからない役割のコードになってしまった。
ただし、同じ音程を共有しているのは確かなので、その点では交換可能である。
役割とか気にしないという方針で行くこともできる。
まとめ
「ド・ファ」->F, Dm7, D♭maj7
「ド・ソ」->C, Am7, A♭maj7
「ソ・レ」->G, Em7, E♭maj7