プリンス良いよね あるいはアーリーアダプターとして生き残るには

プリンス良いよね

たぶんギターマガジンだったと思うが、プリンスのインタビューが載っててPC+DAWでの作曲について「昔からつまみをいじって曲を作ってきたから違和感はない(ドヤア)」みたいなことを言っていたのを思い出した。

プリンスが時代の先を行っていたのは間違いない。「I Would Die 4 U」という曲では「強弱の無いハイハットの16分打ち」が聴けて、音のバランスはちょっと違うけど、2000年くらいのR&Bのアレンジだよなあと思ったりする。

プリンスはドラムマシンを使用してのファンクが特徴的で、現在のR&Bとかソウルでのドラムマシンの存在感を考えてみると、まさにアーリーアダプターだ。

プリンス以外も

そこで思い出すのがスライ・ストーンで、Africa Talks Youなどではドラムマシン(当時はリズムマシン?)を大々的にフィーチャーしたりしていた。彼もまたアーリーアダプターだったと言えよう。

ビートルズはムーグ・シンセサイザーやメロトロンを活用していたし、マイルス・デイビスはいやがるピアニストにむりやりエレクトリック・ピアノを弾かせたらしい。もちろん、今ではシンセサイザーサンプラー(メロトロンはサンプラーの一種だと思う)、エレピは定番の音色だ。

大物=アーリーアダプターが多い?

ここまで見てくると、大物にはアーリーアダプターが多いような気がしてくる。

しかし意地悪な自分は逆の発想もしてしまう。「大物でないアーリーアダプターは、理解されなかったのではないか?」という疑問だ。

固定客がいないとアーリーアダプターは生き残れない

その可能性はある。

例えば新楽器をうまく使った曲を作ったとしても、その作曲者がすでに「固定客」を掴んでいなければ、変な音だとして素通りされてしまうのではないか。

プリンスがあれだけ挑戦的になれたのは、彼を殿下と慕う熱狂的なファンがいたからでは?

そういえばポール・サイモンの「サウンド・オブ・サイレンス」は、最初は鳴かず飛ばずだったということだ。ボブ・ディランのフォークロックブームのあとにフォークロックアレンジにしたら売れたらしい。

失礼な話だがもし仮に、ポール・サイモンではなくディランがサウンド・オブ・サイレンスを書いていたらあっさり売れたのかもしれない。ディランはすでにポジションを確立していたから。

今も世の中にはたくさんのアーリーアダプターがいて、理解されずにくすぶっているのかもしれない。というか、そんな気がする。

まとめ

ここから言えること。

  1. 誰かのファンになることは無駄ではない。ファンになった対象を後押しするだけでなく、彼の挑戦も成功に導くことができる。
  2. アーリーアダプターとして成功したければ、まず大物にならなくては。ということはワンテンポ遅れるから、すでに大物でありアーリーアダプター的な性格の人にはどうしてもかなわない。

自分についていえば、どう見ても大物ではないから、まず大物になるフェイズからだ。…生きてるうちに間に合うだろうか。