好きな曲のどこの何の楽器がどう好きか書いてみる。とりあえず10曲
あらまし
上記リンクのまとめ記事で、好きな曲を100曲、どこの何の楽器がどう好きか書くという手法が紹介されていた。
そうすることで自分の好みというか癖というか、そういったものが明らかになってくるようだ。
試してみたかったのと、眠れなかったのでとりあえず10曲、好きな曲の好きな部分を書いてみた。
実践
とりあえず思いついた順に10曲挙げるのがいいだろうと思った。
偏りが結果的に見つかるのなら、その前の曲を挙げる時点での偏りは無くしたかったからである。
なので、「どのシーンが印象に残ったかな」という脳内検索で出てきた順に書いていく。
ちなみに曲目
- Madame George / Van Morrison
- Something / The Beatles
- Walk On The Wild Side / Lou Reed
- Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again / Bob Dylan
- Concrete Jungle / Bob Marley
- Duncan / Paul Simon
- Get Up, Get Into It, Get Involved / James Brown
- We Got To Have Peace / Curtis Mayfield
- Living Through Another Cuba / XTC
- Breathe, Something Stellar STar / Flying Lotus
Madame George / Van Morrison
Van Morrison(ヴァン・モリソン)が60年代後半に発表したスピリチュアルなアルバム、"Astral Weeks"の中核を占める曲。
このアルバムは基本的にヴァンの声とギター、ジャズ畑から集められたというベースやドラムス、そしてオーバーダブのストリングスという構成になっているが、
自然な感じなのでオーバーダブなしの一発撮りに聞こえるが、ストリングスはあとからだそうだ。
で、そのストリングスが「あとから」を活かしたアレンジをする(7:30あたり)。
ヴァンのスキャットのメロディを拾って、自分たちのフレーズとして再利用するのだ。
このスキャットが予定通りのものだったのか、偶発的なものだったのか。
それは分からないが、あとからストリングスがそのフレーズを追いかけたことでこのフレーズは必然になった。
何か人間賛歌にすら聞こえてくる感動的なストリングスだ。
というわけで好きなのは、7:30あたりからのストリングス。
Something / The Beatles
ご存知ビートルズにおける、ちょっと影が薄い二人のうち一人のジョージ・ハリスン楽曲。
ジョージはジョン・ポールから吸収したものに独自のセンスや民族音楽などをふりかけて他にはない境地に達しているが、
この曲の時点ではまだそこまでではない。
この曲Somethingはジョージらしくギターのフレーズが引っ張る曲で、
特にイントロのモチーフは繰り返される。
イントロのフレーズには2パターンあって、ドに落ち着くのとド#に落ち着くのがある。
で、ジョージはこの曲の終わり、まずド#に落ち着く方を弾いて(Key:Cなのでノンダイアトニックコードになる)、その後満を持してドに落ち着く方を弾くのだ。
この余裕あるアレンジ。ドヤ顔が見える。
というわけで好きなのは、この曲の終わり、イントロのフレーズが2回出るところ。
Walk On The Wild Side / Lou Reed
イントロのシンセみたいなボヨーンというフレーズが好き。
これはもうイントロが好き。
ボヨーンの裏でベースがボンといい、だんだんギターやパーカッション類が集まってくる、そのイントロが好き。
ハイセンス。
というわけで好きなのは、イントロ。
Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again / Bob Dylan
全体的に好きな曲なのだが特にBメロ? の"Oh, Mama"のあたり。
たぶんコードとしてはIIImに行っているのだが、IIImを4小節くらい続けることで
ん? 転調? となっている。
そこで勢い良いドラムのフィルとともに戻っていくのがカッコイイ。
というわけで好きなのは、Bメロ。
Concrete Jungle / Bob Marley
だんだん音符が重なっていくのに弱い、ということは見えてきた。
この曲のイントロも、タイトなキックに乗せていつもの悪ガキたちが集まってきたよ的な感じで素晴らしい。
実際のところ、こういうのはメンバー全員がリズムを共有していないと無理だから実力ある人たちなんだなとも思う。
というわけで好きなのはイントロ。
Duncan / Paul Simon
サイモンアンドガーファンクルのサイモンのほうのソロ作。
トーキングブルースのような感じで進んでいくのだが、それが一段落したあとに笛(リコーダー?)によるサビがある。
このサビが美しくて。
今のビルドアップ&ドロップ構成にも通じるものがあると思う。
というわけで好きなのはサビの笛。
Get Up, Get Into It, Get Involved / James Brown
JBの、ヒップホップに影響を与えたビートを集めたコンピ版。
ヒップホップはまさに「好きな曲の好きな瞬間」を集めたような音楽だから、この企画に出て来るのは必然だ。
この曲のドラム・ブレイクからギターソロまでのカオスな感じを挙げたい。
このギター、JBのバックの人にしては歪んでいるなあと思っていたらそれをソロに活かしてきた。JB、クレバー。
というわけで好きなのはドラム・ブレイクからギターソロ。
We Got To Have Peace / Curtis Mayfield
カーティスの軽快なソウルナンバーから、0:23あたりの(おそらく)平行調のマイナーに突っ込むあたり。
マイナーに突っ込むというありふれた形ながら、
メロディと、伴奏と、そしてカーティスの声が絶妙でいつ聞いても素晴らしい。
もっと各コードを大切にしたいなと思った。
というわけで好きなのは0:23あたり。
Living Through Another Cuba / XTC
この曲は基本的に一つのフレーズ、"Living Through Another Cuba"をハイテンションで繰り返すものなのだが、
最後らへんでボーカルアンディが感極まったように"Cuba, Cuba, Cuba, bababa"と歌い出す。
そこが個人的ハイライトなので選出させていただいた。
この何かが壊れたようなポップさは見習いたい。
Breathe, Something Stellar STar / Flying Lotus
この曲もカオスの中に徐々に秩序が(主にドラムによって)入ってくる。
そこが好き。
しかしインストヒップホップを言葉で説明するの難しすぎる。
とにかく0:40あたりの徐々にリズムが出来上がってくる感じがすきなのだよ。
振り返り
こうしてみると自分はカオスの中に秩序が芽生える瞬間、あるいは画面が切り替わった瞬間など、音楽における「変化」に心を掴まれるようだ。
それがわかったので何かの役に立つ気がする。
逆に、ここのボーカル、ここの歌詞という聞き方はあまりしていないようだ。
世間の人はもうちょっと歌詞よりだと思うので、世間との乖離が心配される。
まあ、マイペースにやるよ。