構成音が似たメジャーセブンスコードとマイナーセブンスコードを気分で使い分ける

気づいてしまった

最近気づいたんだけど、

メジャーセブンス(maj7)コードと、半音上のマイナーセブンス(m7)コードは構成音が似ている。

マイナーコード基準で見ると、マイナーセブンスコードと半音下のメジャーセブンスコードは構成音が似ている。

 

例えばCmaj7は、低い方からドミソシが構成音だが、

C#m7は低い方からド#ミソ#シなのだ。

ミとシが共通している。

 

たかが50%じゃないかと言う意見もあると思うが、

しかしその50%は重要な部分を握った上での50%なのだ。

人間の60%が水分だからと言って、水と小麦粉を6:4で混ぜて人間だと言えるだろうか、

いや、言えまい(反語的表現)。

「3度」と「7度」

Cmaj7とC#m7で共通しているのは「3度」と「7度」だが、

ハーモニー上重要なのはまさに3度と7度なのだ。

 

5度はそれだけではメジャーとマイナーを決定できない音で、

入れても違和感が無いが入れなくても別に良いという、

ある種便利屋的ポジションである。

ルートはもちろん重要だが、基本的にベースが弾く。

なのでハーモニーでは「3度」「7度」の優先度が高く、

「ルート・3度・7度」の3つの音でのボイシングで4分音符を弾くだけで成立するジャンルもある。

どのように使うか

さて、ミとシが共通している重要さを分かってもらったところで、

次の段階、実際どのように半音下メジャーセブンスないし半音上マイナーセブンスを入れ込むかに移ろう。

 

自分はこれを、代理コードみたいなものとして使っている。

つまり、本来であればAm7を弾くような場所で代理としてA♭maj7を弾いても基本的に成立するということだ。

 

あわてて言い添えるが、メロディないしリード楽器がルートや5度を弾いてたらA♭maj7は音がぶつかる。

ルートや5度を弾いていない場合、あるいはコード進行を先に作る場合でAm7をA♭maj7に替えても、

問題がない場合が多いということだ。

 

「成立」とか「問題がない」という微妙な表現でわかるように、

雰囲気は変わる。

むしろ雰囲気を変えたいときに突っ込むといい感じになることが多い。

書き出してみよう

それではダイアトニックコード各種に対応する「半音下メジャーセブンス」および「半音上マイナーセブンス」を書き出してみよう。

 

メジャー系

Imaj7 -> ♭IIm7

IIm7 -> ♭IImaj7

IIIm7 -> ♭IIImaj7

IVmaj7 -> IV#m7

V7 メジャーセブンス・マイナーセブンスではないので対象外

VIm7 -> ♭VImaj7

VIIm7-5 -> ♭VIImaj7

 

マイナー系

Im7 -> VIImaj7

IIm7-5 -> ♭IImaj7

♭IIImaj7 -> IIIm7

IVm7 -> IIImaj7

Vm7 -> IV#maj7

♭VImaj7 -> VIm7

♭VII7 メジャーセブンス・マイナーセブンスではないので対象外

 

書き出してはみたものの、全部使えるわけではない。

なぜかはわからないものの、

このテクはメジャー系のときに使いやすくマイナー系はちょっとむずかしい。

(メジャーはマイナーを借用することが多いのと関係があるのかもしれない)

メジャーでもImaj7 -> ♭IIm7とかはちょっと際どい気がした。

使いやすい構成音似コード

使いやすいのはメジャー系での

IIm7 -> ♭IImaj7

IIIm7 -> ♭IIImaj7

VIm7 -> ♭VImaj7

VIIm7-5 -> ♭VIImaj7

という、マイナーセブンスコードをメジャーセブンスで代替するパターンだった。

使用例

Fmaj7 Em7 Dm7 Cmaj7 -> Fmaj7 Em7 D♭maj7 Cmaj7

半音下がって解決するところがキレイ。

Cmaj7 Dm7 Em7 Fmaj7 -> Cmaj7 Dm7 E♭maj7 Dm7 G7 C

Em7をE♭maj7に置き換えた結果、次に向かうコードもFmaj7からDm7に変わった。

Cmaj7 Am7 Dm7 G7 -> Cmaj7 Am7 D♭maj7 G7

単純な置き換えパターン。

Am7 Dm7 G7 Cmaj7 -> Am7 Dm7 D♭maj7 Cmaj7

Dm7から置き換え先のD♭maj7へ進行。