面白い完結漫画ランキングベスト70

まえがき

最近バズっているおすすめの漫画ランキング100。震源地はまぬけブログ(http://manuke.jp/comic-rankings/)さんだと思われる。自分も全力で乗っかってみることにした。個人的にはこの企画は100作品という数字のインパクトが重要だと思うので、自分も100で。

……と思ったが、70作品くらいしか思い出せなかったのでキリの良い70で行くことにした。29年間生きてきて100作品思い出せないとは遺憾だ。

ルール

今回は完結作品を対象とする。理由は、まだ完結していないものを評価するのは難しいから。

また、だいたい全部読了した作品に限る。当然といえば当然だが、そうでないとちゃんと評価できない。これのせいでARIAが消えた。

その他には特にルールを決めない。他の類似する記事とのかぶりなども特に考慮しない。他とのかぶりを考慮してテキトーな漫画を1位にしても面白く無いからである。

ランキング

    1. コンビニDMZ
      竿尾悟

      DMZとは、北朝鮮と韓国の間の38度線のような、一応の非武装地帯。非武装とはいえ、

       

      危険と隣合わせなわけだが、そこに出店したコンビニ。変人の店長が軍人たちを向こうに張って大暴れするコメディ。一発ネタに近いが、わりとクオリティを保った。
    2. なつのロケット
      あさりよしとお

      子供たちが人工衛星を打ち上げるという、それだけで泣きそうになるような話。ラストが駆け足気味なように感じたが、人によってはそれで良いのかもしれない。
    3. さよならフットボール
      新川直司

      女子が男子に混じってサッカーをやる、というのは当たり前の題材だが、その意味を深く追求した小品。
    4. 外天楼
      石黒正数

      それ町で実績のある著者が辣腕を振るった連作短編。コミカルなものから、ミステリー、悲しい話まで。そして全部繋がる。
    5. ごっこ
      小路啓之

      ペドフィリアの主人公が誘拐した女の子になつかれる。これも題材としてそう珍しくはないが、唯一無二の感傷が漂う。
    6. 珍遊記
      画太郎

      画太郎が「ページまるまるコピー」などの掟破りを繰り返したギャグ漫画。絵がうまい。
    7. 球場ラヴァーズ
      石田敦子

      カープファンなので読んだ。好きな野球チームの応援を即人生に結びつけてしまうドライブ感あふれるネーム回し。ちょっとシリーズ続け過ぎかな……。
    8. 世界制服
      榎本ナリコ

      この作者が意外にもギャグをやって、けっこう面白かった。でもどこか「それっぽくカッコつけてみました」感があるんだよなあ。
    9. STUDIO FIVE
      竹内桜

      日常ナンセンスものの中でもよくできているが、飛び抜けたものはない。でもなんか好き。
    10. 来世であいましょう
      小路啓之

      「主人公の来世がヒロインの理想の彼氏」という設定で勝利でしょう。んで、ヒロインがなんだかんだで主人公自身になついてしまうというのも王道でよし。
    11. ONE OUTS
      甲斐谷忍

      頭脳派野球漫画は「おおふり」よりこっちが先だったんじゃないだろうか(未確認)。賭け野球が題材か、全部をゲーム的に考えた野球漫画。面白い。
    12. HELLSING
      平野耕太

      圧倒的熱量のネームで引っ張りまくる吸血鬼バトル漫画。なにかしゃべるたびに謎の光がチカチカする。主人公最強のわりに緊迫感が絶えない。総じて、漫画が巧い。
    13. カブのイサキ
      芦奈野ひとし

      未来、地球が10倍に大きくなった世界の冒険。ラストは衝撃だったが、基本的にヨコハマ買い出し紀行の焼き直し感があった……。
    14. すごいよ! マサルさん
      うすた京介

      かつてジャンプに新風を吹き込んだギャグ漫画。この時点ではいろいろ発展途上だが、あふれるセンス。
    15. 王様はロバ
      なにわ小吉

      かつてジャンプで異彩を放っていたギャグ漫画エッセイ。この人もうすたさんも画太郎もそうだが、ギャグ漫画って妙に絵がうまい人が多い。
    16. 幽☆遊☆白書
      冨樫義博

      霊能・妖怪バトル漫画。このランキング内で似たポジションにあるドラゴンボールと比較して、ストーリーづくりに分がある。でも幼い自分にはあまり響かなかった。
    17. がらくたストリート
      山田穣

      自分の中で一つの流れとしてナンセンス日常ものを追いかけている。この漫画の場合、雑学を饒舌に語りまくるセリフを、技巧的なコマ割りで収めているのが特色。
    18. 奇子
      手塚治虫

      こんなニッポンの田舎、まだあるんだろうなあ。出自に問題があったため、世間と隔絶されて育った女の子、奇子。その数奇な一生。
    19. ドラゴンボール
      鳥山明

      圧倒的な絵。キャラ。セリフ。描写。個人的にはセル編~ブウ篇での世代交代にわくわくしたが、裏切られた。
    20. 24のひとみ
      倉島圭

      うそつきで気まぐれなひとみ先生が好き勝手やってみんなが調教されていくギャグ漫画。ひとみ先生が可愛い。
    21. サクラテツ対話篇
      藤崎竜

      フジリューの奇作・哲学コメディ。駅前一等地の家が、実は霊界だとか未来とかから見ても絶好の立地だった、という基本線を進めればいいのに、進まない。
    22. AWAY
      萩尾望都

      大人たちが消えた世界での子供たちの奮闘。これ連作短編として読めばよかったのかなあ。大長編を意識して読んだから、ちょっと物足りない。
    23. ピューと吹く! ジャガー
      うすた京介

      マサルさんに比べずっと洗練された笑いを提供している。しかも連載10年(確か)。すごい。
    24. まんゆうき
      画太郎

      珍遊記とそう変わらないようでいて、実は結構違う。ヒロインがいるというのもいい。
    25. センチメントの季節
      榎本ナリコ

      援交が話題になっていた時代の空気をうまく捉えているのでは。逆に言うと、時代に囚われているとも取れるけど。
    26. パノラマデリュージョン
      小原愼司

      幽霊はいない、幻覚である、しかし幽霊騒動には対処する。まるで1984年みたいな人を喰った設定で描く霊能アクション。
    27. コジカは正義の味方じゃない
      小原愼司

      超人が日常的にいて、しかも多くはたいした超人じゃない……。設定など魅力的だったがわりと早期でたたんでしまった。
    28. サルでも描けるまんが教室
      相原コージ竹熊健太郎

      怪作。特に序盤の、恋愛物を回転寿司に例えたりする部分が好き。
    29. タッチ
      あだち充

      落語の影響とかあるんじゃないかな。すごい話運びがうまい。南ちゃんはむかつくけど。
    30. 20面相の娘
      小原愼司

      パノラマ・コジカに比べ、ずっとシリアスなアクション。江戸川乱歩氏の遺族の許可もとったようで。ロマン溢れているが、話としてはダラダラしているかな。
    31. ムジナ
      相原コージ

      忍者モノ。大真面目に放屁して点火して引火したりしている。ギャグだがストーリーもある。自覚的な男塾、みたいな?
    32. ヨイコノミライ
      きづきあきら

      ぬくぬくとしていた漫研に魔性の女が。キャラクターがキャッチーだし初期設定のまま走りだしただけで話が転がる。確か雑誌自体が消えたんだっけ。好きなものには投資しようと思った。
    33. 地球戦争
      小原愼司

      ウェルズの宇宙戦争をイギリスの少年目線でアレンジ。その基本設定を守ったがゆえに、話に奥深さが出た。
    34. 極楽丸
      相川有

      死んだ魂を浄化する場所があり、そこで試練を受けるのが極楽丸。徐々に話が複雑化していく相川有の特徴的なストーリーテリングと、一話完結のよさがちょうどいいバランス。
    35. エイト
      楠みちはる

      音楽モノ。だが音楽じゃなくても、趣味なら通じそうな一般的なことを書いている。なので音楽モノというジャンルにとらわれないで読んで欲しい。
    36. あずまんが大王
      あずまきよひこ

      日常ナンセンスものの至宝。4コマの世界を変えた(らしい)。あと大阪が可愛かった。
    37. MONSTER
      浦沢直樹

      謎が謎を呼び……、その謎が謎を……。終わってみるとあっけないのはお約束。楽しめたからいいのよ。
    38. 菫画報
      小原愼司

      出世作。本好きな少女・スミレが周囲の人といろいろやるという、設定はないに等しいマンガだが、エピソードづくりの力を示した。
    39. パイナップルARMY
      工藤かずや・浦沢直樹

      名台詞が多すぎる傭兵アクション。ゴルゴとキートンの間ぐらいの存在。
    40. 北斗の拳
      武論尊原哲夫

      名台詞も多いが迷台詞も多い拳法バトル漫画。後半もけっこう好きだけどなあ。
    41. いなり、こんこん、恋いろは
      よしだもろへ

      綺麗に完結した良作のお手本。少女漫画ミーツ萌えマンガって感じ。
    42. ヤサシイワタシ
      ひぐちアサ

      エキセントリックな大学の先輩に振り回される青春モノだと思った? もっとひどい何かだ。
    43. スティール・ボール・ラン
      荒木飛呂彦

      スタンドバトルという面では「ジョジョ」より若干退潮したがアメリカ横断のロマンと、それを支える絵の力が素晴らしい。
    44. レベルE
      冨樫義博

      ハンター止めても許すからこういうの描いてくれないかな。なんでもありの宇宙人コメディ。
    45. ひきだしにテラリウム
      九井諒子

      なんでもありのショートストーリー集。最初と最後がつながっているのも憎い。最初の発想が圧倒的で、調理も上手。
    46. ナニワ金融道
      青木雄二

      リアルをリアルに描くだけで面白いというコペルニクス的転回。事実は小説より奇なりというがその奇をなんとかフィクションで再現出来てるんじゃないだろうか。
    47. 国境を駆ける医師イコマ
      高野洋

      医者モノ。世界各国の紛争地で、物資もままならぬ中、過酷な治療に挑む。この題材なら主人公はこれくらい超人でもいいだろう。
    48. P2 Let's Play Pingpong
      江尻立真

      打ち切られた卓球マンガ。初期は地味なのだが、だんだん演出が上達して最後はむしろ派手なマンガとなっている。
    49. ブラックジャック
      手塚治虫

      医者モノの首領。やはりマンガの基本とはキャラクターとストーリーなのだろうと、思い知らされる。絵もこれくらいがちょうどいい。
    50. 魔人探偵脳噛ネウロ
      松井優征

      探偵ものの皮をかぶったB級エンタメ。丁寧なキャラクター描写でA級ドラマに昇華した。
    51. 賭博黙示録カイジ
      福本伸行

      デスゲームものは数多いが、死や権力やお金についてきっちり考察されているものは少ない。この作品はそれをしている。
    52. DARK EDGE
      相川有

      学園ゾンビパニックから、不死族の覇権をめぐる争いへ。ストーリーの糸の複雑化はここに極まっている。キャラの魅力も後押し。
    53. ロケットマン
      加藤元浩

      スパイの血を引く主人公と、ロケットを作りたいもう一人の主人公。推理。冒険。素材は面白いが、この素材を全部盛り付ける皿がなかった。
    54. 無関心探偵AGATHA
      相川有

      相川さん推理もの描くことにしたのかーとおもいきや何かそれと違うものが出てきた。短くまとまっているので、現時点での相川有作品の中では一番オススメかも。
    55. 11人いる!
      萩尾望都

      少女漫画弱いんすよ……。これは楽しかったけど、SFだしなあ。10人のはずの宇宙船の乗組員が11人いて、さらに船にも異常が。サスペンスとしても優秀。
    56. ジョジョの奇妙な冒険
      荒木飛呂彦

      スタンドという発明品と特徴的台詞回し、そしてその影に隠れた詩情。
    57. バタフライ
      相川有

      幽霊なんて信じないのに見えてしまう、そんな青年のもとに霊能力者をかたる少女が。まるでRPGのような段階を踏んだ話運びが見事。
    58. 蟲師
      漆原友紀

      この民話感。マンガ的感覚ではオチていないのだがもっと深いところでオチている話。オンリーワンの技術。
    59. 天顕祭
      白井弓子

      フカシ(不可視)という放射性物質の恐怖の中、たくましく生きる土方の男たち……に混じっている女性。設定から何から、よくできている。マスターピース
    60. 風の谷のナウシカ
      宮﨑駿

      戦争オタクであることを認識しつつ、技術と自然のかかわりを見据えた文学的な作品。こういうのももっと作って欲しかった(あるいはこれから……)。
    61. 寄生獣
      岩明均

      鋭い時評性をもった第一級のエンタメ。
    62. MASTERキートン
      勝鹿北星浦沢直樹

      高校生の頃、キートンになりたいと思っていた。今も少し思う。
    63. ブッダ
      手塚治虫

      ちょいワンパターンのきらいはあるが、その分盛り込まれたものは大よ。火の鳥よりこちらのほうが手塚って感じがする。
    64. ヨコハマ買い出し紀行
      芦奈野ひとし

      沈みかけた都市を尻目に、緩やかな生活。ヨコハマというチョイスがまたいい。総じて、センス命のマンガで、合わない人には合わないだろう。
    65. ダイの大冒険
      三条陸稲田浩司

      ドラゴンクエストを下敷きに熱い熱い物語を繰り広げる。あんまり深いことをしているわけではないのだが、少年向けとして正しい。
    66. プラネテス
      幸村誠

      こちらは深いことをしているが、それが100%読み取れたかは疑問。青少年向けとして正しい。未来技術を違和感なく読ませる取材と画面作りはヴィンサガでも発揮。
    67. Q.E.D.~証明終了~
      加藤元浩

      推理漫画の金字塔。つい最近、新シリーズになって旧シリーズが一区切りついたので、ここで紹介可能。1話100ページ前後一気載せという形式が作者の資質にハマったのだろう、珠玉のエピソードばかり。
    68. 幻覚ピカソ
      古屋兎丸

      ある事故のあと、主人公は人の心を絵に描けるようになる。その力で人助け。そして、最後には救われる。これぞジュブナイル! といった話の筋でもう最後らへん泣きまくり。
    69. スラムダンク
      井上雄彦

      描きたいことが明快で絵の力もあり、ストレートに伝わってくる。バスケに限らず、スポーツ漫画としての一つの到達点。
    70. 火の鳥
      手塚治虫

      巨匠は実験精神もとんでもない。過去と未来を行き来する話運びだが、自分は未来側のほうが好き。

こんな結果になった。100作品出てこないとは……。完結作品に限る・読了作品に限るルールを外せば行ったかもしれないけど、まあそこにはこだわりたかったんだから仕方ない。

ポチポチAmazonリンク貼ってて気づいたけど、けっこう絶版になってる&けっこうKindle化している。手塚作品は狙い目だなあほしいなあ。